皮肉なタイトルとなった「Stay Together」(なぜ本作には8分間のフルバージョンを収録していないのだろう?)は、それまでになく壮大なトラックだったが、ブレット・アンダーソンと浮遊感のあるギターの達人バーナード・バトラーとのミステリアスな同盟関係は行き詰まりを迎えていた。そして、ふたりのパートナーシップは、名作『Dog Man Star』のミキサーの人選をめぐって解消されることとなる。その『Dog Man Star』からは、アンセム的な「We Are the Pigs」や「New Generation」「The Wild Ones」が本作に収録されている。
バーナードが抜けた穴を、プールのグラマースクールの生徒だった敏腕ギタリスト、リチャード・オークスが埋めると、スウェードは騒々しいグラム・ポップ「Trash」「Electricity」といったトラックによってヒットチャートの常連となった。けれども近頃のブレット・アンダーソンが作りだすサウンドは、英国郊外のドラッグがはびこる裏通りの一員というよりは、傍観者のように聞こえる。本作でしか聴けない新曲2曲には、少々がっかりさせられる(「Love the Way You Love」はフィル・オーキーがカムバックしたようなサウンドだ)。だが誰にでも浮き沈みはつきもので、あらゆる点から公平に見て、すでにスウェードはロック史上にその名を刻んでいる。(Kevin Maidment, Amazon.co.uk)