Rhydhun / Taufiq — インド・パーカッションの革新を刻んだ歴史的作品(ロングレビュー)
Rhydhun(リズン) は、インド古典音楽の王道を継ぐパーカッショニスト
Taufiq Qureshi(トーフィク・クレーシ) が、
自らのルーツを基盤に “新しいリズムの世界” を描いた金字塔的アルバムです。
タブラの神様 Ustad Alla Rakha の息子、
そして世界最高峰のタブラ奏者 Zakir Hussain の弟として育った彼は、
幼い頃からインド古典の厳格なリズム体系に触れながら、
ロック、クラブミュージック、アフリカン、ジャズなど
多様な音楽を吸収し、自分の血肉としてきました。
「タブラを叩かないタブラ奏者」
「インド古典とワールドミュージックを跨ぐ橋」
そう呼ばれることの多い Taufiq の音楽的視野の広さが、
この Rhydhun に結実しています。
作品の核心 — “Rhydhun=自分だけのリズム” という思想
アルバムタイトルの Rhydhun は “Rhythm(リズム)” の訛った表現。
インドの口三味線(ボル)とも違い、
打楽器の線引きを越えた “体から生まれるビート” を表すTaufiqの造語です。
本作では、
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タブラ
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ドゥフ
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ジェンベ
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ビリンバウ
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プログラミング
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ボイス(口唱歌)
など、国境・ジャンルを飛び越えるパーカッションを融合。
インド古典の厳格さ と 現代的な躍動感 が、
絶妙なバランスで同居しています。
参加ミュージシャンの豪華さ
この作品が “歴史的” といわれる理由の一つが、
参加しているミュージシャンの顔ぶれです。
インド音楽の伝統と革新を象徴するアーティストが集結し、
Taufiq のビジョンを支えています。
曲ごとの魅力(抜粋)
■ The Other Rhythm
Rhydhun 的世界の入口。
タブラの語法と現代的リズムが滑らかにブレンドされた代表曲。
■ The Tree Of Rhythm
父アララカと兄ザキールの影響が最も濃い曲。
古典的なタラ(拍子)を土台にした壮麗な構築美。
■ The Rhy In You
歌・パーカッション・電子音が柔らかく溶け合う、
Taufiqならではの “摩訶不思議な親密さ” を持つ楽曲。
■ Rhy-dhun(口唱歌 & voice)
このアルバムの白眉。
楽器を使わず “身体そのものが楽器になる” 驚異のパフォーマンス。