大型図録本 古伊万里 作品集 写真集 解説 日本陶磁全集23 カラー87点94図 初期伊万里 盛期伊万里 染付 色絵磁器
中央公論社
1976年
79ページ
34×27×2cm
函入 ハードカバー
作品図版フルカラー 解説参考図版モノクロ
※絶版
フルカラー大型図録本、古伊万里焼 図鑑。函入大型愛蔵版。
江戸時代初期から中期(17世紀中期~18世紀初期)を中心に、
古伊万里の名品87点、94図を収録。全作品の詳細な説明、ほかテキストも充実の一冊。
本巻では古伊万里の染付・色絵磁器、絵皿、鉢、壺、徳利、香炉、水注、瓶、置物、花生、型物
など古伊万里の全貌をフルカラー写真で紹介。
厳選された国内最高峰の優品を網羅して収録。
収録作品の配列は、あらゆる器形を網羅し、作風の展開のさまがわかるように掲載、
フルカラー写真に加えて、巻末には全作品の寸法、全作品の解説。
作品名については、全作品に英文表記あり。また、巻末に英文の論考テキストも収録。
美術館・博物館所蔵などの銘品から、
めったにお目にかかることのできない個人蔵の銘品優品を多数カラーで写真解説したもの。
斯界の研究第一人者による解説論考テキストは、陶片や参考作品の写真を多数もちいてその器形、歴史と遺品を追って伊万里焼350年に渡る様相をていねいに考察。
また「陶片にみる伊万里焼」は代表的な有田古窯からの出土陶片を窯別に写真で整理分類。
巻末のやきもの風土記は、陶工李参平をテーマとした窯址訪問記。
泉山採石場、天狗谷古窯跡発見エピソードなど、こちらも楽しく内容充実の読み物。
本書は大型本のため、各作品の写真も大きく、細部まで見て楽しむことができる、
陶芸家、茶道具、古陶磁、やきものの絵付け、デザイン、骨董品愛好家等に必携の大変貴重な資料本です。
【目次】
作品
概説 絢爛たる磁器の世界 西田宏子
はじめに 伊万里焼の鑑賞と研究の歴史 伊万里焼の創成と初期伊万里染付 伊万里焼とオランダ貿易 陶片にみる伊万里焼 古伊万里の展開―輸出伊万里と伊万里型物
作品解説 西田宏子
やきもの風土記 角田守男
参考文献
作品目録
英文梗概
英文目録
【凡例】
*本巻には江戸時代初期から中期(17世紀初期~18世紀初期)を中心に、伊万里の作品87点、94図を収録した。作品と図版の数え方は、原則として同一作品で異なる角度から見た図版のある場合、これを一点二図とし、一括して名称を付した。
*収録作品の配列は、あらゆる器形を網羅して編年を行い、作風の展開のさまがわかるようにした。
*作品には、原則として図版番号、名称、寸法を付し、英文による名称を添えた。名称の読み方は作品解説においてふりがなをつけた。
*所蔵については、公共あるいは私設の博物館、美術館等に属するものは記載し、個人の場合はこれを省略した。
*難解と思われる語、術語には、語の下に*をつけ、上欄に注を載せた。
*巻末には英文による梗概、および図版目録を併載した。
【概説】より一部紹介
古伊万里 絢爛たる磁器の世界 西田宏子
はじめに
「古伊万里」ということばのひびきに思い浮べられるのは、華麗な彩色で異国情緒を描き出した五艘船文の鉢や鯉に乗ってまさに空へ飛翔しようとする琴高仙人を描いた鉢ではなかろうか。この、染付に色絵と金彩を加えて、細やかに文様の描かれた鉢は古伊万里型物といわれ、古来珍麗されてきたものであった。それだけでなく、古伊万里型物は古伊万里を、また伊万里焼を代表するものであったといえよう。ところで、近年そこへ新しい魅力に隘れるやきものが次々に加えられてきた。素朴な初々しさをたたえた初期の染付、柿右衛門風の華やかな色絵、大胆な図柄の後期の染付大皿、そして海外への輸出用に作られた西洋風の作品などがそれである。(中略)
この図録では、従来行われているように、輸出磁器を別にせずに、伊万里焼の歴史のなかに組み込んでみることによって、伊万里焼の展開をみられるように構成してみた。合せて日本の文献資料に海外の資料を加えてゆくことで、輸出磁器とはなにかを探り、またそれを含めて伊万里焼の様式の展開を考えてみたいと思っている。
この図録ではまた、従来「柿右衛門様式」として「柿右衛門」の分類に入れられていた作品を、柿右衛門も南川原山の陶工であって、有田皿山の構成員であったことを重視して、伊万里焼の歴史の流れのなかでは欠かすことのできないものであるので、そのいくつかを収録していくことにした。
伊万里焼は、有田皿山といわれていた現在の佐賀県有田町を中心とする地方で焼造されていた。江戸時代、有田皿山は鍋島氏の領有するところであった。鍋島本藩はこのほかに、支藩である武雄鍋島藩の領地内にも、嬉野山、内野山などの製陶地を飛地と称して領有し、さらに大川内山に藩窯を設けて今日鍋島焼として知られている優美な様式のやきものを焼造させ、貴顕、将軍家などへの献上品にあてるなど積極的に製陶業を推し進めてきた。
有田皿山で焼造された磁器は、江戸時代を通じて伊万里焼として扱われていたらしい。12キロほど離れた伊万里の港から国内各地へ積み出されたことが、一般にその理由といわれている。(以下略)
【作品目録】より一部紹介 寸法記載
染付竹虎文三脚皿
青磁徳利 有田陶磁美術館
染付松文徳利有田陶磁美術館
染付山水松梅文皿
染付山水文皿 日本民芸館
染付葡萄文菊形鉢 出光美術館
染付山水文皿
染付吹墨月兎文皿
染付楼閣山水文徳利 梅沢記念館
染付花卉文徳利 箱根美術館
青磁面取壺
染付松文壺
染付松梅人物文三耳壺 梅沢記念館
染付山水文水甕
瑠璃釉蒲公英浮文香炉
染付鉄釉牡丹文香炉
瑠璃釉蓮文水指
青磁染付葦鷺文四方皿
鉄釉千鳥文皿 箱根美術館
染付人物文水注
染付山水人物文水注 和蘭陀貿易資料館
色絵梅散文水注
色絵幾何文徳利
色絵沢瀉文徳利 東京岡立博物館
色絵牡丹文徳利
色絵花文蓋物 源右衛門資料館
色絵花文蓋物 東京国立博物館
色絵獅子牡丹文鉢 東京国立博物館
色絵花文皿 源右衛門資料館
染付菊文壷 蒲地コレクション
染付菊鳥文壷
色絵山水文壷
色絵花鳥文壷 今右衛門古陶磁参考館
色絵花鳥文壷 ヴィクトリア・アルバート博物館
色絵柳文水注 今右衛門古陶磁参考館
染付山水文水注
染付樹下人物文瓢形瓶
染付花鳥文瓶
染付分銅形皿 バーレイ・ハウス
染付牡丹鳥文瓶
色絵拓榴鳥文瓶
染付水仙文団扇形皿
染付山水文輪花皿
色絵山水牡丹文鉢
染付唐人物文皿
染付牡丹文皿
染付鹿文皿
色絵花鳥文皿
染付花鳥文皿
染付鳳凰文八角壷 和蘭陀貿易資料館
色絵牡丹文八角壺
色絵牡丹菊鳥文獅子鈕深鉢
染付舟遊文八角壷
色絵桐鳳凰文壺 和蘭陀貿易賢料館
色絵鷄置物
色絵虎置物 粟田美術館
色絵狆置物
色絵馬置物 グロニンゲン市立博物館
色絵鯉置物
色絵獅子置物 出光美術館
銹絵染付荀萄栗鼠文花生 レジデンツ美術館
色絵虎文竹形花生
色絵唐人物文壷 松岡美術館
磁器の間 シャルロッテンブルグ宮殿 ベルリン
色絵桜樹下美人文鉢
色絵人物盛花文六角壷
色絵牡丹菊文蓋物
色絵菊文耳付水注 和蘭陀貿易資料館
色絵花卉文角瓶
色絵秋草文扇面形皿
色絵牡丹菊文皿 栗田美術館
色絵牡丹樹木文皿
色絵樹木高構文皿
色絵美人鷺文皿
色絵五艘船文独楽形鉢 箱根美術館
色絵琴高仙人文鉢 梅沢記念館
色絵龍丸文鉢 箱根美術館
色絵荒磯文鉢
色絵姫皿
色絵丸文鮑形皿
色絵寿字独楽形皿
色絵弓破魔文皿
色絵菊花形鉢
色絵瑠璃釉赤玉文鉢 梅沢記念館
色絵牡丹丸文鉢
色絵鳳凰丸文八角鉢
染付皿 東京国立博物館
【著者について】
西田宏子
一九三九年(昭和十四年)東京都に生れる。
慶応義塾大学文学部史学科卒。日本の輸出磁器の研究のためにオランダ及び英国に留学。
オックスフォード大学で博士号を受ける。現在、慶応大学文学部講師。
論文「十七世紀欧文文書にみる欧州向け輸出品としての色絵磁器」(「古美術」四六号所収)ほか。
NIPPON TOJI ZENSHU 29
A Pagent of Japanese Ceramics
IMARI WARE
【LIST OF PLATES】
Dish with design of a tiger and a pheasant, three feet, blue and white. Mouth D. 45.6cm.
Wine bottle, celadon glaze.
H. 20.2cm. Arita Ceramics Art Museum.
Wine bottle with pine tree design, blue and white.
H. 22. Ian. Arita Ceramics Art Museum.
Dish with design of pine and plum, blue and white.
Mouth D. 44. 5cm.
Dish with landscape design, blue and white.
Mouth D. 47.9cm. Japan Folkcraft Museum.
Chrysanthemum-shaped bowl with grapevine design, blue and
white. Mouth D. 34.6cm. Idemitsu Art Gallery.
Dish with landscape design, blue and white.
Mouth D. 26.1cm.
Dish with design of moon and hare against "blown ink", blue and
white. Mouth D. 19.8cm.
Wine bottle with design of landscape with pavillion, blue and white. H. 37.2cm Umezawa Kinen・kan Museum.
Wine bottle with floral design, blue and white.
H. 31.5cm. Hakone Art Museum.
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