出版社 : 新潮社
森 鴎外 (著)
明治44年、陸軍省医務局長というポストにありながら、
「雁」を「スバル」誌上で連載開始。満49歳、外の「豊熟の時代」が燃え盛る――。
貧窮のうちに無邪気に育ったお玉は、結婚に失敗して自殺をはかるが果さず、高利貸しの末造に望まれてその妾になる。女中と二人暮しのお玉は大学生の岡田を知り、しだいに思慕の情をつのらせるが、偶然の重なりから二人は結ばれずに終る……。
極めて市井的な一女性の自我の目ざめとその挫折を岡田の友人である「僕」の回想形式をとり、一種のくすんだ哀愁味の中に描く名作である。
本書冒頭より
壱(いち)
古い話である。僕は偶然それが明治十三年の出来事だと云うことを記憶している。どうして年をはっきり覚えているかと云うと、その頃僕は東京大学の鉄門の真向いにあった、上条と云う下宿屋に、この話の主人公と壁一つ隔てた隣同士になって住んでいたからである。その上条が明治十四年に自火で焼けた時、僕も焼け出された一人(いちにん)であった。その火事のあった前年の出来事だと云うことを、僕は覚えているからである。……
森鴎外(1862-1922)
本名・森林太郎。石見国鹿足郡津和野町に生れる。東大医学部卒業後、陸軍軍医に。1884(明治17)年から4年間ドイツへ留学。帰国後、留学中に交際していたドイツ女性との悲恋を基に処女小説『舞姫』を執筆。以後、軍人としては軍医総監へと昇進するが、内面では伝統的な家父長制と自我との矛盾に悩み、多数の小説・随想を発表する。近代日本文学を代表する作家の一人。主な作品に『青年』『雁』『阿部一族』『山椒大夫』『高瀬舟』『ヰタ・セクスアリス』など。
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