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| ★商品説明★ | 米村圭伍著 「山彦ハヤテ(シリーズ全2巻完結)」 新潮文庫 「山彦ハヤテ」 平成23年 10月 文庫初版 「道草ハヤテ」 平成24年 10月 文庫初版 定価 667円、590円+税 481頁、391頁 |
| ★著者略歴★ | 1956年横須賀市生まれ。早稲田大学政経学部卒。会社勤務後松竹シナリオ研究所に学ぶ。1997年「安政の遠足異聞」菊池寛ドラマ賞佳作。1999年「風流冷飯伝」で小説新潮長編新人賞。 |
| ★作品内容★ | <1> 連作長編。長編としても楽しめるが、一話事に山場が合って、それぞれ楽しめる。東北の小藩(5万石)には問題が合った。父の死で後を継いだ若殿(正春・マサ)の初めてのお国入りだが、腹違いの弟を担ぎ出そうとする次席家老と権益を守ろうとする家老の争いだ。気の優しい藩主は事を荒立てずに済まそうとするが、権力に目がくらんだ双方は、ついに頒種暗殺まで企てる。第1話「雪虫」立ち入り禁止の山に暮らすハヤテ(15歳)は、気を失っていた若い浪人・正春を助け手、山小屋に運ぶ。わけありそうなその若者を”マサ”と呼び、友達に成るが、彼を追って刺客がやってくる。過って知ったる山の中での戦い、懐いた狼の”尾ナシ”の活躍も。その別れの歌声が悲しい。第2話「胎内くぐり」雪の降る城下にハヤテがやってくる。分かれたもののその後の様子が知りたくてお城そばまでやってきたのだ。その頃、は佐春は押し付けられた側室が恐ろしくて、またも城を抜け出していた。雪の城下町で繰り広げられる刺客との闘いが面白い。百姓の娘お花(15)がいい味だして居る。第3話「かごめかごめ」参勤交代で正春は江戸に向かうことに。ハヤテは、一度は師匠について武具師になろうとしたがそこを飛び出していた。師匠はハヤテに、江戸の旗本に品物を届けさせる名目で正春の行列に参加させる。再び、刺客が襲ってくる。異母弟や正室の真意、ハヤテの重いなどを組み正春は決断する。第4話「通せんぼ」師匠の作った武具を旗本の屋敷に届けようとしたハヤテだが、途中で盗まれてしまう。知り合った江戸の浮浪児たちの助けで、取り返すことはできたが、盗んだのはかつて分かれた父親だった。 <2> 藩主の異母弟とともに、奥州の故郷に戻る事になったハヤテだが、道連れの狼や大名育ちの坊さんを連れ、道鳥がはかどるはずもない。約10日で戻れるはずが。「嫌われ者尾ナシ」狼連れでは大名行列の多い街道を避け、脇往還を通ったのだが、そこは、将軍家の馬場があった。人より馬を大事にするその牧場で出会った事件。ここのハライトは尾ナシの恋物語だろう。「逃げろ徳念」ヤクザの親分の娘に一目ぼれされた得念の物語。「狐の嫁入り」解説にあるようにこの巻のモティーフは”ガリヴァー旅行記”にある。児童向けに翻訳されているが、本質は風刺が主題だ。人より大事にされる馬の社会や、恋物語もあるが、この第3話こそその本領を発揮している。狐に化かされて喜連川藩ならぬ”気常川藩”に迷い込んだ一行は、要らない普請、運上金(消費税)、さらには実体のない株式取引まで。株が上がれば儲かると狂奔するが、実質は何もない。さらに、未来を見越していたように統計不正や被害者より犯人を守る裁判制度や、消費税、禊ぎ選挙など切り落とす。今では忘れてしまわれているかもして居るだろうが、漫画大好きで漢字が読めない首相も斬り殺す。一応道半ばだが、これでおしまいなのかもしれない。 |
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