北海道の自然の土を活かして焼かれた昭和新山焼の徳利と杯の酒器揃いです。
■ 見た目より、酒を注ぎ、味わう動作を優先した昭和新山焼の徳利と杯
北海道の自然の土を活かして焼かれた昭和新山焼の徳利と杯の酒器揃いです。
火山の土による焼き締めと自然釉の表情が特徴で、注ぎやすさと持ちやすさ、口当たりの良さを重視した実用本位の造りとなっています。
底には銘と窯ラベルがありますが、名に頼らず、使い心地と器そのものの仕事で選ばれてきた酒器だと考えています。
■ 昭和新山焼の特徴と、その代表的な酒器
昭和新山焼は、北海道・昭和新山の火山活動によって生まれた土を活かして焼かれる自然派陶器です。
昭和新山は戦時中に突然隆起して誕生した新しい火山で、その周辺には鉄分やミネラルを多く含んだ焼き物に適した土が現れました。
この火山の土を用い、高温で焼き締めることで、丈夫で素朴な表情を持つ器が作られるようになりました。
炎や灰の影響をそのまま器の景色として残す焼きの思想は、信楽焼などの民芸系陶器と同系統の流れにあります。
特に酒器との相性が良く、実用性と表情を兼ね備えた徳利や杯が多く作られてきました。
今回の徳利と杯は、赤土、自然釉、焼き締まりの景色といった特徴がそろった、昭和新山焼の代表的なスタイルと言える酒器揃いです。
■ 注ぐこと、持つことから決められたかたち
徳利の胴はほどよくふくらみ、手に取ると自然に指が回る形です。
首はすぼまりすぎず、注ぐ量を調整しやすい造りになっています。
口元はわずかに締まり、高温焼成によって焼き締まってなめらかに仕上げられており、酒切れが良く、垂れにくいよう配慮されています。
見た目の均整よりも、実際の動作を優先して整えられたかたちだと思います。
■ 焼きの景色について
表面には自然釉と焼成による揺らぎが現れています。
均一に整えられた質感ではなく、炎や灰の影響によるわずかな変化がそのまま残されています。
火山の土を活かした焼き締め系陶器ならではの、力強く素朴な表情です。
■ 二点で見て分かる、手の仕事
こちらは徳利と杯の酒器揃いです。
並べて見ると、形や焼きの表情にわずかな違いが見られます。
大きさや印象は揃えられていますが、釉の流れや焼き締まり具合は同一ではありません。
手仕事ならではの違いとして、それぞれが一つの器として作られています。
■ 表面に残された凹凸と触感
胴の表面には、あえて完全には均されていない凹凸があります。
これは見た目の効果だけでなく、手に取った際の滑りにくさや持ちやすさにもつながっています。
■ 釉の流れと口元の仕上げ
釉は胴から口元へ自然に流れていますが、口の部分では焼き締まりによって流れが整えられています。
注ぎやすさと酒切れを考えた作りです。
■ 内側の素地感について
内側は釉を厚く掛けすぎず、高温焼成によって土そのものが焼き締まり、なめらかに仕上げられています。
酒がなじみ、注ぐ動きが穏やかになる感触です。
■ 使われてきた器という前提
こちらは未使用品ではありません。
ごくわずかな使用感はありますが、割れや欠けなどのダメージはありません。
時間の積み重なりが、器の表情として残っています。
■ 暮らしの中での使い道
・日本酒の徳利と杯として、冷酒からぬる燗まで
・晩酌の時間に
・使わない時は、そのまま棚に置いて
日々の暮らしで自然と手が伸びる酒器です。
■ 状態
・陶器製
・割れ、欠けなし
・使用に伴うごく軽い表情の変化あり
※釉の流れ、焼きの景色、凹凸は制作上の特徴です
※手仕事の器としてお楽しみください