私の田中角栄日記 佐藤昭子 私だけの前で見せた天才の素顔 愛人が堂々と本を書き出版されてしまう 魑魅魍魎たちの政権闘争 容赦ない策謀他

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私の田中角栄日記 佐藤昭子 私だけの前で見せた天才の素顔 愛人が堂々と本を書き出版されてしまう 魑魅魍魎たちの政権闘争 容赦ない策謀他

「越山会の女王」が書き遺した、
「天才政治家」の実像。
息詰まる魑魅魍魎たちの政権闘争、容赦ない策謀、
そしてあまりにも人間臭いその言動…。
没後四半世紀、昭和の政界にはこんな“豪傑”がいた。

本文より
昭和四十七年七月四日(火)晴
 いよいよ明日、総裁選挙。無我夢中で走り続けているうちに、この日を迎えることになった。
思えば田中角栄という政治家の秘書になってからちょうど二十年。
「お前と二人三脚でとうとうここまで来たな」。
昼間、事務所でお茶をすすりながら、田中がしみじみと述懐する。…
 政治家として、また男として本懐かもしれないが、私自身は空恐ろしい気がしないでもない。
 十年前、大蔵大臣室で二人だけになった時、初めて
「天下をとれるかもしれないぞ」と言ったことをふと思い出した。
(序章「総理の座」)

目次より
第一部 二人三脚
序章 総理の座
第一章 母の命日に来た男
第二章 木造議員会館の日々
第三章 大蔵大臣室での決意
第四章 「権力」に群がる人々
第二部 波乱万丈
第五章 サンクレメンテ
第六章 周恩来とブレジネフ
第七章 金脈報道
第八章 田中逮捕の日
第三部 落花流水
第九章 検事調書
第十章 「闇将軍」と「女王」
第十一章 クーデター
第十二章 人情紙風船
終章 政治家の真価


レビューより
読んでみて驚いた。この人は、田中角栄の愛人であり、秘書であり、政治の世界ではそれはそれは顔の利く人物だったのだ。
汚職にまみれた田中角栄を弁護するような話がたくさんあるが、それを差し引いてもなかなか興味深い本だった。日本という国が機関車のように前進あるのみという感じでばりばりと進んでいた時代だった。いまの日本ではこうは行くまい。
田中角栄がいい政治家だったか悪い政治家だったかはともかく、私はこの一冊が政治に興味を持つ入り口になった。

終章にある田中元首相の被告人陳述が印象深かったです。
田中角栄の生い立ちや人柄について興味があり、またそれ以上に「ロッキード事件」とはどんな事件だったのか、それを知りたくて読み始めましたが、どちらについてもあまり多くのことは語られていないように思います。
「米連邦法では、アメリカ企業の国内での政治献金は禁じているが、外国政府の高官に賄賂をおくったり、政治献金をすることは禁じていない」とのこと。それを背景に「免責の上での嘱託尋問」という、これも日本ではない手段によって得られたアメリカ側の証言が重なり、冤罪を招くこ
ととなったらしい。
「いい人かどうかを知りたいんじゃない。何をしたかだ。」と、昔、テレビドラマの中で検事役の人が言っていたのを思い出しました。
この本の中でも「政治家の評価は後世の人が決めると言われている」と書かれています。
多大な功績ということも含めて、政治家の仕事というのはそういうものなのだなと思いました。


愛人が堂々と本を書き出版して文庫化されてしまうという意外さ。日陰の存在であるべき女が堂々と男を語る恥知らずぶり。そりゃ正妻の娘である田中真紀子も怒るわな。それもこれもここまでただの日陰の女を増長させ思い上がらせた田中角栄の不徳の致すところなのであろう。そしてその田中の権力の前にその愛人の前で恵比須顔をつくり媚を売る自民党幹部連の情けなさ。何かサラリーマン社会の生き写しのようで悲しくなる。
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