平成21年、101歳で遷化された松原泰道師。仏教を一般の人々にも理解できるよう、難解な禅の話や「般若心経」をわかりやすく解説することでは当代随一といわれた。そして、百歳を超えても各地を行脚し、人が生きる意味と智慧を説き続けた。
そんな松原師が遺した多くの法話の中から、6つの名法話を選んで構成した不朽のCD集。
【収録内容】
第一巻 禅ともののあわれ (63分)1982年収録
禅は、文学、美術、茶道など、日本文化に大きな影響を与えてきた。日本文化を貫く重要な理念である「もののあわれ」と禅の関係は──?芭蕉、利休等の作品や有名な禅者たちの生き方を通して語る。
第二巻 『法華経』に聞く (74分)1984年収録
古来より宗派を超えて読みつがれてきた大乗経典の代表的なお経「法華経」。その成り立ちや、理解するポイントとなる「諸法実相」「久遠実成」等の言葉について、松原師らしいわかりやすい解説を展開。
第三巻 『華厳経』の世界観 (73分)1984年収録
東大寺の大仏、毘盧遮那仏が象徴しているのが「華厳経」の教え。その教えの中心をなす、「一即一切、一切即一」という考えや、仏による無限の救済を説いた「衆生無辺誓願度」という言葉などをやさしく解説し、「華厳経」の世界観を導き出す。
第四巻 釈尊最初の説法『四諦・八正道』 (76分)2000年収録
仏教語の「諦らめる」は、断念する意味ではなく、原因を明らかにすることである。つまり「四諦」とは四つの真理を指す。釈尊が説いたという四つの真理や「八正道」とは何かについて解説する。
第五巻 般若心経のこころ (74分)2000年収録
「空」の思想を二百六十二字の簡潔な形で表現した「般若心経」。「一切の事象を“空"と観察して、苦を度う」という主旨のお経。沢庵和尚、白隠禅師など先達の禅者の言葉も紹介しながら「般若心経のこころ」を解説する。
第六巻 道元禅師に学ぶ (67分)2000年収録
曹洞宗の開祖道元は、留学先の中国で炊事や掃除も仏道の実践に他ならないことや、「他は是れ吾にあらず」との教えを学んだ。それらは禅の大切な精神として日本にもたらされ、現代人はそこから何を学ぶべきかというテーマで思い深く語る。