ウェールズのポップの天才、スーパー・ファーリー・アニマルズの5枚目のラウバムは、彼らの最も野心的な作品。現状維持スタイルのブギーなロッカーから、テクノのドリルとベースのメルトダウンまで、あらゆるものを取りあげ、完全に練りに練ったポップの傑作。前作となる出来はよいが傲慢な火花が少なかったフォーク風の『Mwng』よりもむしろ、ジャンルが衝突する興奮を生んだ1999年の『Guerrilla』と共通点が多い。本作品の大いなる喜びのひとつは、歌詞もとぼけていて実におもしろいが、より細かい分析で明らかになった満足のいく調子はずれの、そして時には刺激でいっぱいの知性である。ゴージャスな「Presidential Suite」は――ちなみにピアノを弾くジョン・ケイルをフィーチャーしているが――典型的なSFAのサイケな揺らめきと、クリントン大統領を揺さぶったモニカ・ルインスキーのスキャンダルに関して退屈だとする歌詞を結びつけている。フロントマンのグリフ・リースはあのスキャンダルに悲しげに疑問を投げかけている。まるで、あれが彼に確認できる最も古い出来事のように。恐らくその通りなのだろう。あなたが『Rings Around the World』に公平に散らばっている魔法を流す時、世界のリーダーの淫らな探索でさえも、退屈に色褪せてしまう。(Louis Pattison, Amazon.com)