「記録に挑戦するアスリートたちが、競技の場を離れ、ブレザーで移動や入場行進をする際に履ける靴をつくろう」アシックスの創業者、鬼塚喜八郎が、かねてから考えていた構想を実現させたのが1983年のこと。従来の、「より速く」というスポーツシューズの観点とはまったく違う靴づくりに導き出された理念は、「"歩き"は人間の根源的な行為である。物質が充足し、組織化され、乗り物などで移動する“高速度化"した現代文明社会に対し、歩き、すなわち“低速"によって、健康と豊かな感性を持った人間性を回復しよう」ということでした。「歩き」の意義を問う壮大な理念が定まり、スポーツシューズの開発で培われたバイオメカニクスのノウハウを活かして、ウォーキングシューズの「ペダラ」が誕生したのです。“Have a nice walking"初期のメッセージには、そんな思いがこめられていました。