人気のリニアトラッキングアーム搭載コンパクトレコードプレーヤー SL-DL1です。
本機も私のお気に入りで複数台所有している中でも動作良好の製品を簡単にメンテナンスしたものです。
当時の価格からしてもエントリー機ではなく高い技術を投入した中級実力機といえます。
すぐにお使いいただけるよう中古の針もお付けします。テンションワイヤー付きの純正針で間違いありませんが使用時間は不明です。
現状問題なく素晴らしく良い音が出ています。
テンションワイヤー付きなのでクリアオレンジノブで人気のEPS-24CSなどより上級でより高音質な再生音が楽しめます。
実はテクニクスの普及クラスのカートリッジの製造元はナガオカだったようです。特にT4Pタイプの殆どはナガオカ製でした。
そんな訳で本機などの純正針の製造元もナガオカです。中身は純正針と全く同じという事です。
現在でもEPC-P24やP30用の針なら販売されているのでこちらも使用できます。
テクニクス純正針と同じ交換針が入手できる事はとても大きなメリットと思います。
かつて長岡派でピュアオーディオをしていた頃にはこういったコンパクトプレーヤーなど全く見向きもしませんでした。
しかし、レコードプレーヤーの世界でDDの第一人者としてのテクニクスではこのタイプを忘れる訳にはいきませんね。
本機はSL-10などの30cmLPジャケットサイズではありませんがSL-10やSL-7同様のリニアトラッキングアームを搭載しています。
当時の最新技術を詰め込んだSL-10といえば、多くの賞を受賞しMoMAに永久展示されるほどの銘機でした。
もちろん、そのSL-10も大人気ですが、本機は当時のアンプなどの設置寸法に合わせたサイズ。
なんとかジャケットサイズに詰め込んだSL-10などと比べて設計には余裕があります。
同じデザインでクオーツロック仕様のSL-QL1と並んで
とても洗練された素晴らしいデザインはB&Oべオグラムなどと共に世界でもっとも美しいレコードプレーヤーといえるでしょう。
この機種は今でも人気なので、当オークションでも見かけるのですが、よく気をつけないといろいろと問題があります。
外観はともかく、しっかりメンテナンスされて動作保証されていない物は、まず動作不良のジャンク品と思ってよいでしょう。
本機はこのシリーズ機でよく問題になるアーム送りのモーターベルトを交換し
硬化して動作不良になりやすい可動部のグリスの塗りなおし、スピンドルを外して軸と軸受け部分のオイルはふき取り新たに注油しました。
アーム送りのベルトは入手が難しいと思われるので高額で出品されていたりします。
また、あるパーツ屋さんでも販売されているのですがサイズにちょっと問題があります。
自作で作ってしまう方も居られますが繋ぎなどがとても難しく精度に問題があります。
私は耐久性も高いとても良いベルトを見付けました。もちろん動作はとてもスムーズでオート機構も問題ありません。
回転調整ボリュームには信頼できる接点復活剤を複数使い分けてクリーニングしました。
サービスマニュアルによる回転数も微調整済みで一度合わせれば回転を切り替えてもそのままでOKです。
もちろんストロボもしっかり止まり、回転もスムーズに調整でき問題はありません。
接触不良を起こしやすいスイッチ類も信頼できる接点復活剤でクリーニング済みなのでとても快適に操作できます。
もちろんランプ類も問題ありません。アーム送り、戻しスイッチは強弱2段階、ランプも2段階で点灯します。
本機などのスイッチボタンは古くなるとどうしても接触不良気味になります。ここは必ず整備が必要になります。
傷みやすい脚部ゴムはほとんど劣化はなく全く問題ありません。本機などで問題になるゴムシートの硬化もありません。
ゴムシートはクリーニングして脚部ゴムなどと同様に保護剤をかけました。もちろんオート機構 も問題なく動作します。
レコードのサイズを自動で検出して最適の回転数で再生します。EP盤はもちろん珍しい25cm盤も自動で判別して最適な位置に針を降ろします。
ただし、一般的ではない30cm45回転盤などは手動で回転数を設定してください。
本機は傷も少なく綺麗ですが年式なりの僅かなキズ、スレなどはあります。特にカバーのクリア部には若干キズがあります。
入手時には保護フィルムが付いていたのでキズ、汚れは僅かでしたがこのクリア部のキズだけはちょっと残念です。
保護フィルムはキズがあり汚れていたので剥がしました。
その他はほとんどキズは無いと思います。全体はコンパウンドやクリーニングワックスで磨いてとても綺麗です。
錆、腐食しやすいボタン類、プラッターなどもコンパウンドや金属磨きクロスで軽く磨いてピカピカです。
今回は少し傷みはありますが希少な元箱付きです。元箱に入れて発送しますが元箱がさらに傷まないようさらにプチプチで発送します。
詳細は添付画像よくご覧になってご検討ください。写真は下手で申し訳ありませんが多めにupしておきました。
この機種はクォーツロックになる前の機種ですので回転が安定しないのではとお気になさる方も居られるかと思いますが
私が多数のプレーヤーを使ったところでは全く問題ないと確信します。
クォーツロックでないと音が変化するとかクォーツの方が音が良いとかはありません。クォーツなら調整がいらないというだけです。
ストロボが安定して止まらないと気にされる方も居られるかと思いますが、
ストロボは電源の50Hzまたは60Hzの明滅を利用しているので目安にすぎません。
実際には電源周波数はその地域の電力使用量によっては微妙に変化するのです。
発電所はその変化をできるだけ少なくする努力はしていますがクォーツ並みにする事はできません。
サーボモーターですからプラッターの回転数は電源周波数には影響されません。周波数で変化するのはストロボの明滅周期です。
この変化を回転の変化ととらえて頻繁に回転調整をすればボリュームが痛んでしまいます。
本機の音は、こんなにコンパクトなのに実にしっかりとして力強さもあり
リニアトラッキングならではの定位の良さと広い音場でカートリッジの違いもちゃんと出せます。
コンパクトなオート機なので軽く見られてしまいそうですがその音と性能は間違いなく素晴らしい物です。
音に拘ったマニュアル機には適わないかもしれませんが、一般的なオート機と比べて勝るとも劣らないと言えるでしょう。
LPジャケットサイズ機はできる限りスペースを取らないような用途以外は他のコンポーネントのサイズからかえって使いにくいかもしれません。
本機のサイズくらいが実際にはいちばん使いやすいのではないでしょうか。
全く興味のなかったはずのT4Pタイプのカートリッジの手持ちも増えてしまいました。
もともとかなりの能力を秘めたカートリッジですので、交換針しだいでまだまだその能力は引き出せるかと思います。
基本操作は実に簡単ですので、どなたにも簡単に素晴らしい音がお楽しみいただける事でしょう。
テクニクスのオート機にはミューティング機能がありますので針を置く時の不快なノイズも出ません。
なお、アンプなどと違いショートタイプのミューティングリレーですので接触不良で音が出なくなることはありません。
付属品は、上述のカートリッジと針、EPアダプターになります。なお、画像にある動作確認用レコードは付属しません。
ケーブル類は直出しなのでもちろん付属します。
取扱説明書もありませんが、参考にサイトからDLした海外版マニュアル(英文)のコピーをお付けします。
また、本機のクォーツロック版といえるSL-QL1の取扱説明書のコピーもお付けします。不鮮明な所はあるかと思いますがご了承ください。
本機は簡単操作ですが、レコードプレーヤーはオーディオ製品の中では特に繊細でその取り扱いには熟練が必要かと思います。
私は今でもレコードを聴くことがメインで多くのプレーヤーを使用してきました。
やはりオーディオマニアでしたらレコードを聴きましょう。
メカ部分がほとんどのアナログレコードプレーヤーはオーディオ機器の中では本当に特別な物と思います。
リサイクル業者の方などご自身で全くプレーヤーを扱う事のないオーディオとは無関係な方が梱包を行うとプラッター
ゴムシート、アームなどをロクに固定もせず送られてしまい本当に呆れる事が多いです。
いくら細かく説明してもわからないのですね。
この点私は趣味でプレーヤーを扱って来ましたので梱包、発送に関してはご安心ください。
カバーとプラッター、アームとの間には緩衝材を入れ、可動部を固定しアームはロックしてお送りします。
ご使用前には緩衝材を抜きロックを解除してください。
ただし、段ボール箱や緩衝材はリサイクルを使いますのでご了承ください。
なお、こういった機種ではレコードをかける前のクリーニングにはちょっとコツが要ります。
これが厄介なのかレコードスプレーをかけて済ませてしまう方が居られるようですが絶対にお止めください。
昔からレコードスプレーの存在意義がわかりません。
交換針のメーカーも販売しているのは針を余計に売るためでしょう。
スプレーは針に粘着して残り、ゴミがこびり付き、ダンパーを劣化させ、ゴムシートが硬化し
プレーヤーのプラスチック部が脆くなりスイッチ類などを破壊するなど良い所などありません。
本機のような機種のトラブルが多いのは、レコードのクリーニングのやりにくさからのスプレーの影響に間違いありません。
本機ではそういった劣化はほとんど見られないのでスプレーは使用されていなかったと思います。
この機種も、世界的総合電器メーカー松下が当時の技術の粋を注ぎ込んだ歴史的遺産と呼べるのではないでしょうか。
初めてお手にされる方は、美しく丁寧な造りと、薄型コンパクトなのにずっしりと重い事に驚かれるでしょう。
このタイプはジャケットサイズ機は人気ですが限られたサイズに無理して詰め込んだのと違いこちらは余裕があります。
世界的な銘機B&O べオグラムなどと比べても全く見劣りしない銘機といって良いでしょう。
このリニアトラッキング方式の完成度の高さをよくご覧ください。
テクニクスはかつて本機のようなリニアトラッキングオート機を数多く作っていました。
本機はその中でも初期の製品になりますが、合理化され手馴れた後期の製品よりとてもしっかり作られていると思います。
後期の機種では筐体はほとんどプラスチック化されましたが本機ではアームなどが搭載されている上部キャビは堅牢なダイキャスト製です。
同じデザインのSL-QL1と違って本体キャビはプラスチックになりましたが底板は堅く重くさらに防振性に優れた複合素材が使われています。
テクニクスは復活しましたが、こちらはどうでしょう。DJには関係なさそうですから無理でしょうね。
現在同じ物を作ったら軽く20万円くらいにはなってしまいそうですね。
銘機SL-10は当時の松下だからこそ開発できたと言われたようです。
本機やその後のジャケットサイズ機にもその技術はそのまま使われていましたが現在では途絶えてしまいました。
でもこんな素晴らしい技術が継承されずに消えていくのはとても残念に思います。
この後も是非、末永くお使いいただきたいと思います。