ERIC CLAPTON - SAN JOSE 1994 DAT MASTER(2CDR)
San Jose Arena, San Jose, CA, USA 4th November 1994 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)
The final date of Eric's North American "Nothin' But The Blues" Arena Tour
★初登場・高音質音源!!!
【クラプトン全キャリア中ピークの一つ、「ナッシン・バット・ザ・ブルース・アリーナツアー」最終日の未公開マスターが初登場!】
昨年来、当店が新たに獲得したネットワークの海外テーパーからのマスターを基に、「ナッシン・バット・ザ・ブルース」クラブツアーの決定版「IRVING PLAZA 1994」3連作とアリーナツアーの決定版「Madison Square Garden 1994」3連作、さらに「Indianapolis 1994: DAT Master」、「Milwaukee 1994: DAT Master」をリリースさせていただき、クラプトンファン、ブルースファンの皆様に大好評をいただいております。特に「IRVING PLAZA 1994 3rd Night」は、流通する他マスター(それを収録したブートレッグ)すべてに含まれていた欠点が皆無の大元マスターであったこと、「Madison Square Garden 1994」3連作と「Indianapolis 1994: DAT Master」、「Milwaukee 1994: DAT Master」は国内初リリースの音源であったことで、画期的なリリースとなりました。クラプトンが94年~95年に実施したオールドブルース以外は演奏しないという「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」のクラブとアリーナの2パターンの会場での音源はこれらで決まり、と考えていたところ、同テーパーからさらにまた1本のマスターが提供されてきました。
それが本作、94年11月4日のサン・ホセ公演のステレオ・オーディエンス録音マスターでした。この日はアリーナツアーの最終日でした。この後2日間のインターバルを置いて、クラブツアーに向かうという、一つの節目、アリーナツアーの集大成のタイミングに当たっていたのです。この日のステレオ・オーディエンス音源としては、かつてTres Hombresレーベルからリリースされた「GROANING THE BLUES」という2CDがあり、これはかなりの高音質ソースでした。今回提供されたマスターは、それとは完全別マスターですが、同様に音質は優れていて、クリアでステレオ感にも優れた「きれいな」録音です。録音ポジションが多少ステージと距離があり、ホールの鳴りも捉えていますが、バンドの楽音とボーカルをセンター中心に捉えており、左右にオーディエンスの歓声等を絶妙に捉えています。近隣のオーディエンスの声も、アメリカ特有のマナーの悪い、ただ叫びまくるうるさい客ではなく、クラプトンのプレイに心底感嘆したという品の良さを感じさせますので、鑑賞の妨げにはなりません。Crosscut Sawでの僅かなイントロ欠落はありますが、本マスターはここに来て発掘された優良音源と言えるでしょう。お客様には人気の「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」ですので、今になって発掘されたアリーナツアー最終日の優良別マスターを是非本作で楽しんでいただければと思います。
このツアーを題材として製作された、マーティン・スコセッシ監督によるオフィシャルリリースの映画とそのサントラCD「ナッシン・バット・ザ・ブルース」は知られていますが、それは本作の2日後から始まったクラブツアーを捉えたもので、スコセッシの意向により、映像の構成上実際のソングオーダーとは異なる形で収録されていた上に、コンサートの完全収録ではありませんでした。また会場が小さなクラブであったことを考えると、より大勢のオーディエンスの感動を巻き起こしたアリーナツアーの本作も「IRVING PLAZA 1994」3連作や「Madison Square Garden 1994」3連作、さらに「Indianapolis 1994: DAT Master」、「Milwaukee 1994: DAT Master」同様に聴く価値の非常に高いものだと断言できます。
94年~95年に実施された「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」は、クラプトンのキャリアにおいて神懸かり的に歌い、弾き捲ったツアーと評されるものでした。2年がかりで行なわれたこのツアーの全公演では一切の手抜きなし、全公演で弾き捲り、歌い捲り。余裕を持ち、リラックスしながらもブルースに体当たりのチャレンジをしたようなステージでした。彼にとって「ブルース」というものに対する答えを自ら出したとも言える「決意」を示したツアーであったと位置づけられます。
【クラプトンがブルースに回帰した訳】
本ツアーのタイトルレビューの繰り返しになりますが、なぜ94年というタイミングでクラプトンはブルースに回帰したのか?ということを推察したいと思います。それには彼の悲しい人生を辿らざるを得ません。91年3月、幼い息子を不慮の事故で亡くしたクラプトンは、精神的に人生のどん底に落ち込みました。しかしスタッフや友人ミュージシャンたちに励まされながらクラプトンは、その状態から亡き息子への想いとこれまでの自分の人生回顧を曲創作に向けるというカタルシスに転化させました。そしてその初披露の場となったMTV「アンプラグド」において、クラプトンは少年期から憧れプレイしてきたブルースも同時に演奏しました。そこで改めてブルースの本質に触れたクラプトンは、通常のツアーに復帰しながらも、翌93年には、恒例となっていた初頭のロイヤル・アルバート・ホール連続公演ではブルースだけでセットリストを組んだコンサートを行なうことを決意し、実行します。そして若い頃にはできなかった念願のブルースオンリーのアルバム「FROM THE CRADLE」のレコーディングを敢行したのです。それまでにもクラプトンは契約レーベルであるワーナーに対し、ブルースアルバムの制作を打診していましたが、「そんなものが売れるわけがない」と一蹴されてきました。ところがアルバム「UNPLUGGED」が空前の大ヒットを記録したことで、ワーナー側の態度が軟化、クラプトンへのボーナス的にブルースアルバムの制作を承認したということも追い風となりました。そして「FROM THE CRADLE」は何と「UNPLUGGED」に続き、全米アルバムチャートの1位を獲得するヒットとなったのでした。本場アメリカのリスナーもクラプトンのブルースを欲したのです。アルバム「FROM THE CRADLE」の実現を受けて、自身ではライブステージでもブルースを極めたいという意思を固めたのでしょう。この勢いを駆ってクラプトンが計画したのが、ライブでもブルースだけを演奏する「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」だったというわけです。幼い息子を失ったという精神のどん底において、自分を見失わないよう導いてくれたのがブルースだったと、クラプトンは気づいたのではなかったでしょうか。ブルースに魅せられた少年時代を思い出し、改めてブルースとそれを演じた先達に感謝するため、とことんブルースに回帰したのが「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」でした。このツアーに懸けたクラプトンの心意気は只ものではなかったと言えます。
【全編がハイテンション&聴きどころのステージ構成】
ここで「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」の日程をおさらいしておきますと、
<1994年>
≪9月13日「 FROM THE CRADLE」リリース≫
9月28日:ニューヨーク、ハマースタイン・ボールルームにてツアーリハーサルを映像収録。これは後にアメリカ、ヨーロッパ、日本で放映された。
10月3日~11月4日:全米アリーナ・ツアー ←【ココ】
11月7日~11月28日:全米クラブ・ツアー
<1995年>
2月15日~3月7日:イギリス・ツアー
4月5日~5月5日:ヨーロッパ・ツアー
8月28日~9月24日:全米アリーナ・ツアーⅡ
10月1日~10月13日:ジャパン・ツアー
本作に収録された11月4日は、この「ナッシン・バット・ザ・ブルース・アリーナツアー」の最終日に当たっていたことがお分かりでしょう。セットリストはMSG公演時よりBorn Under A Bad Sign1曲が少なくなっていますが、そこはライブアーティスト、クラプトンのこと、プレイは完全アドリブですので、この日はMSGとはまったく違うソロが聴けます。シッティングのアコースティックセットからスタンディングのエレクトリックセットに移行する中、その進行に連れてクラプトンとバンドの「熱」が急激に高まっていき、終盤では火を噴くように激しく情熱的な演奏が展開され、究極まで上り詰めたところでレギュラーセットが終了。レギュラーセットラストではピアノだけをバックに独唱し、エンディングはバンド総勢での感動的な演奏で締めるという意外なナンバーAin't Nobody's Businessでオーディエンスの心を震わせて終了、という構成は不変でした。前半は、アコースティックもしくは定型のリフで構成されたナンバーでのプレイのため、パターン化された演奏を手堅く決めている感じですが、この日は最終日ということで、クラプトンの気合が違ったのでしょうか、中盤のThird Degreeからクラプトンのプレイに火が点くのです。凄いソロが早くも登場します。そして歌も凄い迫力なんです。続くReconsider Babyのスライドも凄まじいプレイです。ゆったりしたCan't Judge Nobodyだけはシフトダウンしますが、Someday After A While からまた火を噴きます。そしてやはりFive Long Years以降の終盤では弾き捲りに突入します。本当によくぞここまで指が動くものだと感嘆します。ずっとこんなプレイを続けているのですから。しかもただの速弾きではなく、スピリットが乗っかっているクラプトンならではのフレーズなのです。
この日の目玉は、1曲や2曲には絞れません。中盤からのプレイを聴いていただければご納得されるでしょう。息を呑み、言葉を失うような凄まじいプレイの連続です。Crossroadsのイントロ前には、珍しく長めの導入アドリブをプレイしていて、ちょっと「Laylaが始まるのか?」と思わせるような箇所もあって面白いです。またフィナーレのAin't Nobody's Businessも最高!この曲は1922年に作られたもので、様々な歌手がカバーしたのですが、クラプトンは戦前の女性ブルース歌手ベッシー・スミスが1923年に歌ったバージョンを元にしています。「一文無しになろうが、海に飛び込んで自殺しようが、私のことは放っておいて」という、自らの不運な人生を嘆く内容をクラプトンは淡々と歌います。しかし最後にはバンド全体で感情を爆発させます。それは自暴自棄の叫びなのでしょうか、それともここからはクラプトンが、「自暴自棄になっちゃいけない。自分を大切にして。」と主人公を励ましているのでしょうか。そんな風にも取れるここでのプレイは素晴らし過ぎます。この日のこの曲でのソロは、またMSGとは趣きが異なりますし、特にこの日の切れ味は群を抜いているように思います。並みのギタリストなら、パターン化したフレーズでやり過ごしそうなものですが、クラプトンはMSGとはまったく違うフレーズ、さらにその上をいく切れ味鋭いフレーズでソロを弾いています。このあたりが、高度なテクニックと彼だけのセンスに裏付けられた非凡さの証明と言えるでしょう。このツアーでは、スタジオ録音したことがないブルースを多くプレイしましたが、この曲は特に印象深いものです。レギュラーセットのラストに持ってきたことを考えると、確実にクラプトンの何らかの意図があったと思われます。
「ナッシン・バット・ザ・ブルース・ツアー」は、肩に力が入りまくった「FROM THE CRADLE」に比べ、長丁場のコンサートでは曲数も多くなることもあって、そこはギアを入れ直すところ、少しシフトダウンしてリラックスするところ、と歌を含めて絶妙の緩急のバランスを呈示しています。繰り返しますが、中盤以降のトップギア&アクセル全開のプレイと歌唱は是非とも聴いていただきたいものです。さらにこのアリーナツアーでは、オープニングアクトに友人ギタリストであるジミー・ヴォーンのバンドを指名していたこともあり、アンコールではSweet Home Chicagoがプレイされ、ヴォーンが飛入り参加しています。これは、オープニングアクトのなかったクラブツアーにはなかった楽しみです。さらにここではMSGに輪をかけた演出があります。MSGでは、ヴォーン、アンディ、クラプトンのギターソロとジェリー・ポートノイによるブルースハープソロとクリス・スティントンによるピアノソロで構成されたセッションでしたが、この日はミルウォーキー公演と同様、トランペットソロ、ドラムソロ、ベースソロまでプレイされているのですが、さらにその後にクラプトンとヴォーンによるインタープレイが延々と展開されるのです。これがまた素晴らしい!まるで二人がギターで会話しているようです。こんな豪華なアンコールセッションは、ツアー最終日ならではのことだったでしょう。アリーナツアー千秋楽ということもあって、クラプトンが「とことんやってやろうじゃないか」と燃え尽きた結果かもしれません。さらに申し添えますと、アンコールのみ黒人女性コーラスが参加しています。クラプトンのバンドには、このツアーではコーラスはいませんでしたので、ヴォーンのバンドから参加した可能性が考えられます。ブルースにおける黒人女性コーラスって、やはりいいものですね。
またこのツアーでは、クラプトンはキャリア史上ワンステージでの使用ギター数としては最多記録となる10本ものギターを使い分けたことも特筆すべきことでした。それは、オリジナルのブルースアーティスト&レコーディングを重んじ、同じサウンドを出そうとしてのことでした。そのこだわりを整理してみますと、
①マーティン12弦-Motherless Child
②マーティン000-42-Malted Milk
③ドブロ-How Long Blues
④ギブソンL5-Kidman Blues、 County Jail
⑤ギブソン・バードランド(ブラウンサンバースト)-Forty Four
⑥フェンダー・ストラトキャスター(ブロンドフィニッシュ)-Blues All Day Long、Going Away、 Can't Judge Nobody、Five Long Years、Groaning The Blues 、Crossroads、Ain't Nobody's Business、 Sweet Home Chicago
⑦フェンダー・ストラトキャスター(ブラックフィニッシュ)-Standin' Around Cryin'
⑧ギブソン・バードランド(ブロンドフィニッシュ)-It Hurts Me Too、Blues Before Sunrise
⑨ギブソンES-335(ブラウンサンバースト)-Third Degree、Reconsider Baby、Sinner's Prayer
⑩ギブソンES-335(チェリーレッド)-Someday After a While、Tore Down、Have You Ever Loved A Woman、 Crosscut Saw
本作の高音質なら、ギター毎のトーンも正確に捉えられています。クラプトンのギタートーンまで及んだこだわりを是非、各曲でお楽しみいただきたいと思います。
「ナッシン・バット・ザ・ブルース・アリーナツアー」最終日の初登場マスターを心ゆくまでご堪能ください。
Disc:1 (56:00)
1. Motherless Child
2. Malted Milk
3. How Long Blues
4. Kidman Blues
5. County Jail
6. Forty Four
7. Blues All Day Long (Blues Leave Me Alone)
8. Standing Around Crying
9. Hoochie Coochie Man
10. It Hurts Me Too
11. Blues Before Sunrise
12. Third Degree
13. Reconsider Baby
14. Sinner's Prayer
15. I Can't Judge Nobody
Disc:2 (54:34)
1. Someday After A While
2. Tore Down
3. Have You Ever Loved A Woman
4. Crosscut Saw
5. Five Long Years
6. Crossroads
7. Groaning The Blues
8. Ain't Nobody's Business
9. Sweet Home Chicago *
Eric Clapton - guitar / vocals
Andy Fairweather Low - guitar
Chris Stainton - keyboards
Dave Bronze - bass
Andy Newmark - drums
Jerry Portnoy - harmonica
The Kick Horns (Simon Clarke - baritone saxophone, Roddy Lorimer -
trumpet, Tim Sanders - tenor saxophone)
Jimmie Vaughan - guitar / vocals*
Uxbridge 2694