1974年に発表された『Autobahn』は、クラフトワークを地下の実験集団から、世界規模で電子音楽の旗手へと押し上げた作品である。片面を丸ごと使った22分超のタイトル曲は、モータリゼーションと電子音を結びつけた大胆な試みだった。シンセサイザーとシーケンサー、そして当時まだ新しかったヴォコーダーを用いて描かれるのは、高速道路を疾走する自動車の風景。しかしそこにあるのは単なる効果音的な再現ではなく、ドイツ社会の戦後復興と未来志向を象徴する「走る」というメタファーである。
リリース当時、このアルバムは一種のカルチャーショックをもたらした。アメリカでは「ヨーロッパからの無機質でクールなサウンド」として受け入れられ、イギリスの若きミュージシャンたちには新しい道標となった。ディスコやニューウェイヴ、そして後のテクノに至るまで、その影響は計り知れない。
『Autobahn』はKraftwerkの作品のなかでも、牧歌的な叙情と機械の律動がもっとも幸福なバランスで共存しているアルバムだ。エレクトロニクスで描かれる「旅」は冷たくもあり、同時に郷愁を誘う。長大なタイトル曲はもちろん、B面に収められた小曲群もまた、シンセと実験精神の豊かな対話である。50年近く経った今なお、このアルバムは「電子音楽の出発点のひとつ」としての輝きを失っていない。
- ドイツ語表記「SPEZIAL EDITION FARBIGES VINYL」
または英語表記「SPECIAL EDITION COLOURED VINYL」のステッカー付属。
- 2009年デジタルリマスター再発盤の2020年再プレス盤、ブルー・ヴァイナル仕様。
- フルサイズ(12インチ)12ページブックレット及び写真入りインナー・スリーブ付属。
- ヘビー・ヴァイナル仕様(ただし盤面には重量表記なし)
- ランアウトはエッチング加工
裏ジャケット記載:
50999 9 66014 1 9 LC04513 SDRM BIEM Digital master 2009 The Copyright In This Sound Recording Is Owned By
ラルフ・ヒュッター/クラフトワーク パーロフォン・レコード社独占ライセンス供与 2009 ラルフ・ヒュッター/クラフトワーク ライセンス供与
パーロフォン・レコード社(ワーナー・ミュージック・グループ傘下)。WWW.Kraftwerk.COM
EU域内製造
レーベル記載:
EU域内製造。
背表紙記載:5099996601419
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