天台菩薩戒義疏講読 上 浄土真宗 本文 校異 書下し文 語釈 意訳 講義 天台宗
北塔光昇 著
永田文昌堂
2002年 初版
184ページ
約23x16x2cm
モノクロ
函入
菩薩戒経として別行の梵網経上巻の天台の立場からの注釈書を本文、校異、書き下し文、語釈、意訳とともに講義したもの。
【目次】より 各論に本文、校異、書下し文、語釈、意訳、講義を付す。
はじめに
凡例
購読の姿勢
購読にあたって
第一章 序
第二章 三重玄義
第一節 釈名
第二節 法号
第三節 階位
第一項 蔵経の菩薩
第二項 通教の菩薩
第三項 別教の菩薩
第四項 円教の菩薩
第三章 出体
第一節 戒体
第二節 興廃
【はじめに】より一部紹介
平成十四年度の浄土真宗本願寺派安居で、副講者として、天台智者大師智顗の「菩薩戒義疏」の講義を仰せつかった。本疏は、『菩薩戒経』として別行されている「梵網経」下巻の天台の立場からの註釈書である。この書によって日本天台宗の祖師、伝教大師最澄は、大乗仏教における戒は『梵網経』に説かれる十重四十八軽戒のみであるとされたのである。最澄は、『顕戒論』に次のように述べている。
山家の式に日く、
一、凡そ仏戒に二有り、
一には大乗の大僧戒(十重四十八軽戒を制し、以て大僧戒と為す)。
二には小乗の大僧戒(二百五十戒を制し以て大僧戒と為す)。
僧統奏して日く、今ま十重四十八軽戒。以て大乗の大僧戒となすと云ふは、何の経に説く所と。(已上奏文)
(中略)
以上のようなことから、親鸞聖人が戒について学んだと推測される智顗の『菩薩戒義疏』を本安居で講じることができるのは、私の大きな喜びである。そして、この書を読むことを勧めてくださった恩師の前浄土真宗本願寺派勧学寮寮頭、武邑尚邦和上に深甚の謝意を申し上げる次第である。
なお本安居においては、『菩薩戒義疏』の全文にわたって講読することが時間の関係から不可能なことであるので、智顗の大乗菩薩戒と戒体に対する考えを記した部分のみを取り上げることにした。すなわち、料簡より以降の『菩薩戒経』に直接触れる部分は別の機会に譲ることとしたのでご了承願いたい。
【著者紹介】より
北塔光昇(きたづかみつのり)
法名 釈晃陞
1949年 北海道に生まれる。
龍谷大学大学院修士課程修了。
現在 本願寺派司教、勧学寮常設研究研究員、旭川大学女子短期大学部非常勤講師、北海道旭川市正光寺住職。
著書 『優婆塞戒経の研究』『真宗と水子供養』『聖典セミナー「三帖和讃Ⅱ 高僧和讃」』『仏教と脳死・臓器移植』など。