クスコはぼくの世代だと、TVのBGMやニューエイジ系で名前聴いたことある人が多いはず。あまり熱心に聴いては来なかったが、今回たまたま聴く機会あり。経歴を調べて、この歌モノなメロディの根拠にピンときた。
もともと歌手として69年から活躍してたマイケル・ホルムが(ドイツ語だと何と読むのだろう。ミハエル・
オルム?)、鍵盤奏者Kristian Schultzeのバックアップを経て結成がクスコ。80年に活動をはじめ、本盤は4th
となる。YMOを筆頭にテクノの黎明期。シンセの物珍しさから、ポップスへ強烈に浸透してたころの作品だ。
本盤はバンド・サウンドを軸に、シンセが飛び交う。実質はHolmとSchultzeのコンビで、後のメンバーは
スタジオ・ミュージシャンか。サウンドの根幹は緩やかなメロディであり、わずかにアドリブ要素もあるけれど
、ソロ回しが本盤の主軸ではない。
メロディを作るHolmが歌手ゆえに、こういう歌うようなメロディが多用ではないか。口ずさむようなフレーズ
がいくつも重なり、一曲が成立している。
ほんのりラテン風味の切なさと、スペイシーな楽曲が交錯した。本盤ではHolmの曲は(6)(8)に留まり、
Schultzeが(1)(2)(5)(7)と共作を含め作曲。決してHolmのワンマン・バンドではない。
リゾート・ミュージックな世界観から宇宙へ視点を向けた本作は、爽やかで穏やかな風景が広がった。深淵の
怖さは無く、あくまでも明るい華やかな前向きぶりの世界観だ。
この辺のポジティブさがニューエイジ系の無邪気さに似合うのかもしれない。
アナログ・シンセのひよひよ軽やかな響きを軸に、グルーヴを抑えてまっすぐクッキリと拍頭を叩く旋律感は
いっそ生真面目だ。
(6)以降は雄大で生演奏のダイナミズムを強調へとアレンジの軸足が変わり、明るいシンセを全面展開な前半と
は世界観が異なる。
遊びやけれんみの薄い方向性ゆえに、毒やひねりに欠けて真剣に聴くと逆に疲れるけれど。雄大な風景をシン
セの奔放な音色を利用して伸びやかに描くサウンドは、聴き流すには惜しい。
フロア対応のビート性や、寛ぎの白玉連発みたいなマーケット性は狙わず。歌心を意識しながら、センチメンタル
な抒情性やエキゾティシズムを本盤では真摯に描いてる。
1 Milky Way
2 Ursa Minor
3 Pisces
4 Swan
5 Andromeda
6 Venus
7 Leo
8 Saturn
9 Mars
10 Pegasus