
気合いと時間とお金をかけて作製しました。
ビッグシングルオフローダーのアイコン、ホンダXL500S(PD01 )1979年製造前期モデルです。
ミュージアムクオリティを目指してレストアしました。一般に皆さんが理解されているフルレストアです。(フルレストアとはぼんやりした定義ですので、これからの説明をご覧ください。作製実績と現状を優先させますので、ご理解ください)
購入した機関好調の中古車(70万円)がベースとなっております。私はメカ音痴なので、作製そのものには一切タッチしてません。全てプロによる仕事です。
国内外の部品調達を私が行い、レストア方針は全て私からメカニックさんに伝えて、二人三脚で作製しました。作製期間は部品待ちなど含めて約一年です。趣味として作製過程がとても楽しく、完成したら写真とって、ちょっと乗って、出品してます。次の作製資金の為です。
コストから作製過程で楽しんだ分をちょい差し引いて価格設定しました。決して安くはありませんが、同じコンセプトでこの車両を探していた方にはとても良いと思います。
【元車両について】
ベース車両は79年製造、80年販売の前期型です。
車検を取得して、試運転を行い、レストアのイメージと方針を決めました。(レストア後の車検取得は2022年12月)
前期型の弱点は小さな前後ドラムブレーキで、これは後期型にて、ドラム径大型化により改善されています。そこで、本車両はフロント、リアとも後期スペックに変更しており、改善後の制動性能となってます。
ちなみに、ブレーキのハウジングに刻印されているシューの最大径は次の通り;
前期→後期
フロント141mm → 161mm
リア 131mm → 141mm
前後ブレーキドラムハウジングの交換を実施して、後期スペックとなってます。
【初めに】
全バラからスタートです。
ネジ、シーリング、ベアリング、など消耗品はほとんど全て国内外から調達しました。どうしても調達出来なかったネジなど小物部品はまとめて再メッキ、中型板金部品も全てブラストして塗装してあります。
外装も後期に近いものを目指しました。オリジナルの雰囲気を壊さず、少し遊びゴコロも加えました。
【フレーム】
ブラックにパウダーコーティング施工。本来後期のフレームカラーはレッドですが、全体のコントラストを考えてメインフレームは黒にしました。
ベース車両は赤に塗装されてましたが、前期標準の黒の上から被せて塗装してあった酷いものでした。これを全て綺麗に落としてから黒でパウダーコーティングしました。
スイングアームはレッドです。リアサス、サイドカバー、スイングアームとレッドにした事で、サイドビューに統一されたアクセントが出来たと思ってます。
【機関系】
腰上下、分解+クリーニング。ほぼフルOHです。エンジンそのものが、好調であったことから、内部部品はクリーニングとシール類、ピストンリング、ベアリング類の交換。オイル漏れが多いロッカーアームシャフトもきっちりピンを抜いて純正Oリングに交換してます。バルブシートカットはしておりません。エンジンケースはブラスト処理、しっかりとブラスト剤を取り除いた上で、その上から耐熱性の高いセラコートにてシルバー塗装いたしました。
【フロントホイール】
名古屋のダートフリークさんにて、新品の前輪リム購入。スポークは後期対応のものがどこにもなかったので、有名ブロガーさんから貴重なオリジナルをお借りして、オーダーメイドで作製しました。後期ハブとブレーキパネルはアメリカより中古輸入、ダートフリークにてブラスト、パウダーコーティング。この時にベアリング類は全て交換しております。タイヤはブリヂストンTrail Wing23インチ。このサイズで現存するのはこの一択となります。
【リアホイール】
リムは再利用です、バレル研磨で良い状態までもっていきました。スポークはNOSを国内調達。後期ハブとブレーキパネルをアメリカより調達、フロント同様、ブラスト+パウダーコーティング、ベアリング類交換してます。特筆はスプロケットダンパーの新調、大変レアな部品ですが、オーストラリアよりNOSを調達しました。これにより動力伝達時の衝撃を吸収し、乗り心地は新車同様と思い込んでます笑 タイヤは前輪と同じブリヂストンTW 18インチです。
【シート】
某有名バイクショップを窓口に、張り替えております。当時の雰囲気が上手に再現されています。
【フロントフォーク】
アウターチューブはバレル研磨のあと、手作業でヘアラインをつけてもらいました。インナーチューブ新品、シール、キャップ類は全て新品です。フェンダーはにて程度の良い中古調達、ボディーと同色にて塗装し、違和感のないように致しました(プラの日焼けした感じがお好きな方は、これからエージングをお楽しみください)、また、フォークブーツを装着しました。
【リアサスペンション】
オーストラリアより調達。JBS製専用リプロリアサスペンション 400mm レッド
【吸排気系】
エアクリーナーハウジング中古部品とその新品樹脂エキパイをドイツから調達。吸気の勢いを調整するレゾネーターもオランダからリファプリッシュ品を調達しました。金属製のエアフィルターは新品購入。
マフラーは、純正をにて購入。洗浄、錆び取り、ブラスト+セラコートしております。また、このマフラー、複雑なクランク部分があり、特に裏側(車体側)が腐食しやすいので、塗装前に溶接補強致しました。また、残念ながらヒートガードには凹みがありましたが、耐熱パテにて整えておきました。エキパイのガスケット、スタッドボルト、ナット、シーリングはすべて純正にて新品交換しました。キャブレターは分解、クリーニング、消耗品交換、小物部品は再メッキしてあります。
【電装系】
神奈川のXLにめっぽう強いショップさんにて、メインハーネス含めて全交換、12ボルトに換装してます(この工程だけでも30万円近く掛かってます)。前後ウインカーは、分解、清掃、ステーなど金属部品はクロームメッキ加工しております。
【ケーブル類】
アクセル、クラッチ、ブレーキ、チョーク、デコンプ、全て英国から新品を購入して装着。
【外装塗装】
浜松第一塗装さんから車種指定で後期カラーを取り寄せ、これをベースに調色、完璧に後期カラーを再現しました。
ウイングマークもオリジナルデカールからデザイン起こして塗装してます。
サイドカバーのXL500sのマークも当時もののデカール(ちょっと遊んでオーストリア輸出仕様のデザインです)からデザインを起こして、塗装いたしました。デカールは使用してません。
【その他】
エンジンアンダーガードはウェットブラスト。部品の性格上、傷の多い部品で深い傷は残りましたが、かなり綺麗になったと思います。
【レストア後のアク出し】
ピストンリングを交換しましたので1000キロほど慣らし運転を実施しました。その過程でメインジェットの選択を試行錯誤。結果として、120番を選択し、キッチリ全レンジ良いレスポンスに仕上げました。
【最後に】
XL500S は欧米+豪州への輸出台数が多く、海外にも熱烈なファンが多いので、ebayなどへのアクセスに慣れれば色んな部品が入手できます。単気筒で整備性は良好、現代車種の様にフクザツな電子制御も無いので、お休みの日にご自分で整備するにも格好の車両と思います。また、日本にも台数の多いXL250Sとも共通部品多く、この車両を得意とするショップも全国に点在するので、問題起きた時に途方に暮れる事も無いと思います。
とは言っても45年前の車両です。先端技術マシマシの新車とはワケが違います。ご購入後の不具合を楽しむくらいの気持ちの余裕が必要です。NCNRにてよろしくお願いします。
この車両はヘビーに使い倒して、泥と油にまみれてナンボ と言う考え方もありますが、こうしてピカピカに磨いて眺めながらホンダの偉大な軌跡に思いを馳せる と言うのもアリかと思いました。もちろんガンガン乗ってヤレを愉しむのもアリです。新オーナーさんがご自分の価値観でこの車両と豊かなバイクライフを送って下さればと思います。
車両は小田急経堂駅近くマンションの屋内駐車場にカバーを掛けて保管してあります。状態維持の為、適度に距離伸びます。現物確認大歓迎です。慣れた方ならば試乗も可能です。
(2026年 3月 22日 9時 19分 追加)ETCついてます。