基本情報|Release Information
レーベル:Stateside
品番:IXJ-80107
フォーマット:LP, Album, Stereo
国:Japan
リリース年:1973年
タグ:Jazz, Bop, Tenor Sax Duo, Muse Records, High Fidelity, Jaki Byard
作品の解読|Decoding the Work
「Body and Soul」は、Al CohnとZoot Simsという二人のテナー奏者による、抑制と精度のバランスが取れた対話的演奏の記録である。1973年録音、Muse原盤、日本ではStatesideレーベルより帯付きでリリースされた本盤は、内容・録音・音質のいずれにおいても高い完成度を示す。
演奏は終始リラックスしており、派手な見せ場を設けることなく、長年の共演を感じさせる自然な呼吸と構造感が全編に流れている。Cohnの陰影ある語り口と、Simsの滑らかでスイング感のあるトーンは、互いを引き立てあいながら旋律を組み上げる。オープニング「Doodle Oodle」や「Emily」の構成は緩やかでありつつ、音楽的な芯の強さが保たれており、「Body and Soul」では情感と節度が見事に同居する。
特筆すべきは、録音そのものの質の高さである。エンジニアはMichael Delugg、ミックスはPaul Goodman。各楽器の輪郭が明瞭でありながら、全体の音像は柔らかくまとまり、空気感の残響まで含めて非常にナチュラルな音場が再現されている。テナー2本の距離感、ピアノの残響、リズムセクションの輪郭が、いずれも不自然に強調されることなく、それぞれの位置で呼吸している。アナログ再生環境においても、音像の分離と滑らかさが両立しており、本作は演奏のみならず、録音芸術としても評価に値する一枚である。
ピアノはJaki Byard、ベースはGeorge Duvivier、ドラムスはMel Lewis。いずれも室内楽的な集中力でセッションを支えており、音数は少なくとも密度は高い。Museらしい録音の簡潔さと、Stateside盤のクリアなプレス品質が相まって、1970年代ジャズ録音のなかでも屈指の聴きやすさと音響バランスを備えている。
本盤は、単なるテナー・セッションを超え、演奏と音響の両面から「成熟」を記録した一作である。過剰でも過小でもない──そのちょうど中間に漂う音楽の温度が、本作の魅力である。
状態詳細|Condition Overview
メディア:NM
ジャケット:EX+(軽微な経年変色、全体として非常に良好)
付属品:帯・日本語インサート付属
支払と配送|Payment & Shipping
発送:匿名配送(おてがる配送ゆうパック80サイズ)
支払:!かんたん決済(落札後5日以内)
注意事項:中古盤の特性上、微細なスレや経年変化にご理解ある方のみご入札ください。完璧な状態をお求めの方はご遠慮ください。重大な破損を除き、ノークレーム・ノーリターンにてお願いいたします。