
失われてゆく、我々の内なる細菌 (マーティン・J・ブレイザー,山本太郎訳,みすず書房2020年16刷)
ハードカバー,19cm : 304ページ
ISBN- : 4622079100
ISBN- : 9784622079101
19世紀に始まる細菌学によって、人類は微生物が病原になりうることを知った。
そしてカビに殺菌力が見出される。抗生物質の発見である。以来この薬は無数の
命を救う一方、「念のため」「一応」と過剰使用されてきた。これは、抗生物質は
仮に治療に役立たなくても「害」は及ぼさない、という前提に基づいている。しかし、
それが間違いだとしたらどうなのか――。
人体にはヒト細胞の3倍以上に相当する100兆個もの細菌が常在している。つまり
我々を構成する細胞の70-90%がヒトに由来しない。こうした細菌は地球上の微生物の
無作為集合体ではなく、ヒトと共進化してきた独自の群れであり、我々の生存に不可欠だ。
構成は3歳くらいまでにほぼ決まり、指紋のように個々人で異なる。その最も重要な役割は
先天性、後天性に次ぐ第三の免疫である。しかしこの〈我々の内なる細菌〉は抗生剤の導入
以来、攪乱され続けてきた。帝王切開も、母親から細菌を受け継ぐ機会を奪う。その結果生じ
る健康問題や、薬剤耐性がもたらす「害」の深刻さに、我々は今ようやく気づきつつある。
マイクロバイオーム研究の第一人者である著者は、この問題に対して実証的に警鐘を鳴らすとともに、
興奮に満ちた実験生活、忘れがたい症例や自身の腸チフス感染などを通じて、興味深いが複雑な
マイクロバイオームへの理解を一気に深めてくれる。その案内人とも言えるのがピロリ菌だ。
19世紀にはほぼ全ての人の胃にありながら、21世紀の今は消えつつある。そのピロリ菌の
本態に迫ることは、マイクロバイオーム全貌解明への指標となりうるかもしれない。
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