基本情報|Release Information
レーベル:CTI Records
品番:GP 3043
フォーマット:LP, Album, Promo, Stereo, Gatefold
国:Japan
リリース年:1976
タグ:Jazz, Post Bop, Jazz-Funk, CTI Sound, Flute Jazz, Audiophile
作品の解読|Decoding the Work
もしも音が、重力から解放されたら。
「Goodbye」は、ミルト・ジャクソンとヒューバート・ロウズが1973年に紡いだ、きわめて静かな浮遊体である。CTIレーベルが誇る精緻な録音空間と、クレード・テイラーの統制美学のもと、サウンドは重くならず、だが決して軽くもない。
それは、消えゆくもののためにだけ残された重みである。
A面は「Detour Ahead」「Goodbye」といったバラード中心の選曲。シダー・ウォルトンのピアノは、時間の流れそのもののように抑制され、スティーヴ・ガッドのドラムが空間を崩さぬよう丁寧に支える。ロウズのフルートは、音と音の間に「濡れた沈黙」を注ぎ、ジャクソンのヴァイブがその沈黙に反応するかのように鳴る。
B面の「SKJ」ではハービー・ハンコック、ビリー・コブハム、フレディ・ハバードが登場し、突如として音の質感が変わる。ドン・セベスキーのアレンジは冷静にして濃密、テクスチャーの多重化によって一種の"編まれたファンク"が出現する。CTIの録音はここに至って、単なるジャズの変奏ではなく、「構成された時間装置」になっている。
録音はおなじみVan Gelder Studio、エンジニアはルディ・ヴァン・ゲルダー。アナログ的に深く沈む空間再現性と、高域のすみきった輪郭描写が、まさにこのレーベルの磁力そのもの。国内盤はキングレコード製、ゲートフォールド仕様に帯・インサート・プロモシール付きと、1970年代日本ジャズ文化におけるCTI受容の美学が凝縮された形態となっている。
「Goodbye」とは別れの言葉ではなく、まだ知らぬ場所への導入である──そのような、言語化されぬ予感が、この盤には満ちている。
状態詳細|Condition Overview
メディア:EX+(全体良好、プチノイズ箇所あり)
ジャケット:EX(角と縁に軽度の擦れ、ゲートフォールド内部に汚れ)
付属品:帯・日本語インサート付属(ゲートフォールド仕様)
支払と配送|Payment & Shipping
発送:匿名配送(おてがる配送ゆうパック80サイズ)
支払:!かんたん決済(落札後5日以内)
注意事項:中古盤の特性上、微細なスレや経年変化にご理解ある方のみご入札ください。完璧な状態をお求めの方はご遠慮ください。重大な破損を除き、ノークレーム・ノーリターンにてお願いいたします。