御存知!名手Trevor Rabin 登場! ”Cinema”Yesの大傑作「90125」Audio Fidelity社独自リマスターGold CD仕様限定盤 輸入盤中古でございます。
盤共に非常に状態の良い中古でございますが、スリップケースに擦り傷そしてサイド部に若干経年劣化がございます。
現在主流で情報量重視で知られる「フラット・マスタリング方式」の先駆者で知られる”Audio Fidelity社”による独自リマスターでございます。
情報量重視ではございますがアナログ感が有り、非常に良心的な音質となっております。
現在では「アナログ盤がマスターテープを一番再現していたのではなかろうか?」との指摘がオーディオ・ファンを中心に挙がり、
名マスタリング・エンジニア故George Marino等が当時手掛けた嘗てのアナログ盤が高値で取引されるここ昨今でございます。
されど、こちらにはスクラッチ・ノイズはございませんが...................................
内容は言わずもがな。
ラインナップは興味深い名手揃い。
Trevor Rabin(G、Key、Vo、ex-Rabbit)、故Chris Squire(B、Vo、ex-XYZ、後にSquire/Sherwood等)、御存知!Jon Anderson(Vo、Jon & Vangelis、ABWH、Anderson/Wakeman等)、
Tony Kaye(Key、ex-Badger、Detective、David Bowieツアー・サポート、後にCirca他)、Alan White(Ds、Per、B-vo、John Lennon/Paul Kossoffセッション、後にWhite等)となります。
そもそもこのバンド、基は”Yes”ではございません、”Cinema”でございます。そこがミソでございます。
Rabbit脱退後イギリスに移住、マルチプレーヤーのソロとして活動し注目を集めていた名手Trevor Rabin(かの”Wild Horses”も手掛けましたが......)。
かの大傑作3rdソロ”Wolf”参加の名手Simon Phillipsと共にAsiaの極初期セッションにも参加。
当時企画されていたJack Bruceの新バンド等からもアプローチを受けておりましたが、レコード会社重役の仲介でかのJimmy Pageとの幻のバンド「XYZ」が崩壊したYesの名手リズム隊Chris Squire/Alan Whiteの提案に乗り
(「君の才能を生かしていきたい」との事なのでしょう..............)、新バンド「Cinema」を結成(ここが重要)。
Chris Squireが消息を気に掛けていたTony Kaye(David Bowieのバックバンドとか近い頃にやってましたが........)を引き込み、デビュー作の制作に乗り出した訳でございますが......................
そこに話を聞きつけてChris Squireにアプローチをしたのが何と!袂を分った筈のJon Anderson(Vo)。
レコード会社からも「専属ヴォーカリストの必要性」を説かれていたChris Squireは、Jon Anderson加入を決断。
(かのAsiaの場合は拒否。そのヴォーカルはJourney幻のヴォーカリストRobert Fleischman(後にVinnie Vincent Invasion))
ここでラインナップが固まり、プロデューサーに嘗ての同僚で既に名を馳せていたTrevor Hornを起用。
本格的に制作に入るという「ややこしい経緯」がございます(ここから始まるとも申せますが...................)。
さて今作。
音楽性の中心はあくまで名手Trevor Rabinでございます。
Chris SquireやTrevor Hornとの、前者はプログレという音楽性や演奏面での、後者は音楽性含めたテクノ色、音造り及び装飾での邂逅が興味深いものとなっております。
ハード・ロック/プログレ/テクノというアクの強い音楽性の融合が興味深いもの。
変拍子ブルーズとかテクノ系ハード・ロック曲、変拍子プログレ/フュージョン、テクノ/アカペラ等々各楽曲・演奏の質の高さだけでない興味深いものとなっております。
Trevor Horn(とGeoffrey Downes)が主導権を握ったYesの「Drama」、他のプロデュースでの成果を持ち込んだ感もございます。
(エンジニアは「Drama」でも貢献のかのGary Langan)
但し、全編で聴かれるのはかのJon Andersonのヴォーカル。
「音楽では楽器よりもヴォーカルがインパクトがある」との某ミュージシャンの言葉にございますが、ここが問題。
レコード会社やプロモーター等関係者に「(商売し易いから)Yesと名乗るべき」と説き伏せられ、権利関係をクリアするのに苦労した模様..........
(Trevor Rabinは最後まで反対していた模様でございますが.......)
リリースすれば大ヒット。
されど往年のファンからは「こんなもの、Yesじゃない!」云々と非難される始末。
矢面に立たされたのはかの名手Trevor Rabin。
一番の貢献者なのに「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」と酷い扱い、何かねぇ.......ではございますが...................
..........Steve Howeもいないのに何を申すのか?とは囁かれておりましたが........................
そもそもが”Cinema”でございます......................................(”Misdemeaner”UFOも似た様な話ではございましたが.....................................受難と言えますでしょうか...................)
そもそも音質の良さでオーディオ・ファンやプロのエンジニアの音チェックにも重宝されたアルバムでもございます.......................................................
尚、プロモーション映像「Owner Of A Lonely Heart」で観られる名手Eddie Jobson(ex-Curved Air、Roxy Music、U.K.、Jethro Tull)でございますが、「90125」制作後の加入で参加は致しておりません。
されど作品のテクノ的な面やひんやりとしたシンセの感覚が感じられる事でTony Kaye一時離脱後の後任として白羽の矢が立った理由が判る感がございます....................................................................................
尚、マスタリング・エンジニアは音質の良さでオーディオファンに定評のあるSteve Hoffmanが担当致しております。
この機会に是非。