1. 【基本情報|Release Information】
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フォーマット:12inch Vinyl / 33 RPM
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アーティスト:Metasplice(米・フィラデルフィア)
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タイトル:Topographical Interference EP
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レーベル:Morphine Records
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品番:doser012
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リリース年:2012年
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プレス国:ドイツ
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マスタリング:Neel(Giuseppe Tillieci)
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スリーブ:黒プレーンスリーブ(底抜けあり)
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備考:Morphosis主宰レーベルからの初登場作
構造が爆縮し、ノイズが身体に代わって跳ね返る瞬間を、アナログ機材による即興で記録したテクノの「未加工地層」。
Metaspliceは、硬化したクラブ・プロトコルを破壊し、再生し、また破壊する。
2. 【構造と文脈|Structure & Context】
音響構造|Raw Improvisation as Architecture of Collapse
本作は、**リズムの構築ではなく「崩壊する構造の記録」**である。
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低域は潰れた鋼板のようにひしゃげ、キックはもはやビートではなく地響きの残像。
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周波数帯の中域は破断し、残響のない空間でノイズが機械音と交差する。
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ミックス全体は、あくまで物理的に「触れる音圧」で設計されており、視覚的、地質学的インパクトすら感じさせる。
タイトル “Topographical Interference” が示すように、これは地形的撹乱=音響地層の横断と暴走である。トラックは構造化された楽曲というより、干渉・堆積・断裂・融解といった地質過程に準じて展開する。
機材性と制度拒否|Non-linear Hardware Logic
Metaspliceは、PCベースのDAW構成を排し、アナログ/モジュラー機材による即興的パッチングと物理演奏によって生成する。そのため、以下のような特徴が顕著である:
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シーケンスではなく、“出来事”としての音が優先される。
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意図というより、機材と身体のインターフェイスが発火する点を録音。
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楽曲は始まらず、終わらず、物理的プロセスが停止することで終了する。
Morphine主宰者Morphosis(Rabih Beaini)のキュレーション下、このような構造無視/制度拒否型の音響実験は、クラブミュージックとノイズ文化の両周縁をつなぐ役割を果たした。
Neelによるマスタリングと残響管理|Violence with Clarity
マスタリングを担当したNeel(Spazio Disponibile, Voices from the Lake)は、本作において以下のような音響処理を施している:
この「暴力の中の透明性」は、本作を単なるローファイ即興ではなく、構造破壊の設計図としての音楽に昇華している。
3. 【状態詳細|Condition Overview】
メディア:VG+(数本のヘアラインあり。軽微なスレ箇所。再生は概ね良好)
スリーブ:黒プレーンスリーブ(底抜けあり)
4. 【支払と配送|Payment & Shipping】
発送:匿名配送(おてがる配送ゆうパック80サイズ)
支払:!かんたん決済(落札後5日以内)
注意事項:中古盤の特性上、微細なスレや経年変化にご理解ある方のみご入札ください。完璧な状態をお求めの方はご遠慮ください。重大な破損を除き、ノークレーム・ノーリターンにてお願いいたします。
このEPは、ポスト・テクノ以降の音響アプローチとノイズ即興文化の接点を、最大限に物理化・記録化した逸脱のメディアです。クラブ文脈にも接続しながら、それを裏切る構造で設計されたこの盤は、まさに都市と身体に対する音響干渉の記録として再生されるべきものです。