■ 見た目より、酒のふるまいを優先した徳利
この徳利は、飾るためではなく、酒を注ぎ、口に運ぶ動作を前提に作られた器だと考えます。
白い釉に絵が描かれていますが、装飾が主張しすぎることはなく、酒の時間に自然に溶け込む佇まいです。
底には銘がありますが、名に頼らず、使い心地と雰囲気で選ばれる器だと考えています。
※作家名・窯元の詳細は不明です。
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■ 注ぐことから決められたかたち
胴はほどよくふくらみ、手に取ると指が自然に回る形。
首はすぼまりすぎず、注ぐ量を調整しやすい造りです。
口元はわずかに外へ返り、酒が垂れにくいよう配慮されています。
見た目より実際の動作を優先した形です。
■ 手描きの絵について
胴には竹文が手描きで施されています。
竹は節度や清廉さを象徴する文様として、日常の器に用いられてきました。
酒の席で主張しすぎず、長く使っても見飽きない絵柄です。
■ 一対で分かる、手の仕事
徳利を並べると、形や絵付けにわずかな違いが見られます。
大きさは揃えられていますが、線の運びや胴のふくらみは同一ではありません。
それぞれが一つの器として作られています。
■ 表面に残された凹凸
胴の表面には、均されすぎていない凹凸があります。
竹文と呼応する見た目であり、手に取った際のすべり止めとしても機能します。
■ 釉の流れと注ぎ口
外側の釉は胴から首へ自然に流れ、注ぎ口のくぼみ部分で流れが止まっています。
酒切れを考え、釉が溜まりすぎないよう制御された作りです。
■ 内側の素地感について
内側は釉を厚く掛けず、素地の質感がわずかに残されています。
酒がなじみ、注ぐ勢いが穏やかになる感触です。
■ 使われてきた器という前提
未使用品ではありません。
ごく軽い使用感はありますが、割れや欠けなどの損傷はありません。
使われてきた時間が、器の表情として残っています。
■ 暮らしの中で
・日本酒用の徳利として、冷酒、常温酒、ぬる燗まで
・使わない時はそのまま棚に
日々の晩酌に、自然と手が伸びる徳利です。
■ 状態
・陶器製、割れ、欠けなし
・使用に伴うごく軽い表情の変化あり
※絵付けの揺らぎ、釉の流れ、凹凸は制作上の特徴です。
※手仕事の器としてお楽しみください。