昨年末に整理していた際に出てきたイカットです。インドネシア染織の頂点に位置する布で、この色味や状態のものは、美術館等に納まっています。インドのパトラと同じ難易度の高い技法で織られた染織ですが、状態の良いものはパトラより市場に出てくることの少ない布です。美しい布ですので、所有して決して後悔が無いでしょう。
これは、インドネシア バリ島 トゥガナン村のグリンシンという布です。昔、バリ島東部カランガセムの村で入手しました。長さ約195㎝×幅約42㎝、天然染料・手紡ぎ木綿で織られた19世紀末から20世紀初頭にかけての古布であることを保証します。繊維のアップ(5枚目画像)から経緯絣であり、非常に古い布であることがお分かりいただけるでしょう。20世紀初頭までとしておきましたが、繊維の乾燥状態や経年により深みの出た染料の色味から19世紀末はあるかと思います。
パトラ同様、経糸と緯糸の両方で模様を織り上げる経緯絣(たてよこがすり)であるグリンシンは、一枚を織り上げるのに10年近い長い年月と非常に高度な技術を要します。そのため、本物を一枚は所有してみたいと願う染織コレクター垂涎の布でもあります。昔から古いグリンシンは、非常に高価でしたので、時代の若い複製も作られていますが、こちらは正真正銘、儀式に使用されてきたオリジナルで、近年観光客向けに作られた布ではありません。
グリンシンは現地語で、「災いが無い、無病息災」を意味し、魔除けの布、神聖な祈りの布として儀式で使用されてきました。そのため通常、傷みが非常に多くある布です。しかし、この布は、かつて所有していたグリンシンに比べ退色が無く、抜群の発色で幻想的な色味です。両端の赤い染料(3枚目画像緑色矢印)も残っています。また、後述の補修はあるものの大きな破れや継ぎ等が無く大変良い状態です。現地で先祖代々大切に受け継がれてきた布で、飾ると存在感があり、神々しささえ感じます。
状態ですが実際に儀式で使用されてきた古い布ですので、6〜8枚目の3分割画像(小穴等が目立つように白い布を敷いて撮影しました)で確認いただけるような傷みや補修があります。白や黄色で囲んだ部分に、手縫いされた繕いや他の古グリンシンを当てた補修が入っています。一番大きな補修は、7枚目画像中央の黄色囲み部分です。他に小穴や汚れがありますので、各分割画像でご確認ください。しかし、大きな欠失や途中で継いでいる部分等が無いため、この時代のグリンシンとしては、良い状態だと思います。各画像でご確認の上、これらの傷みや補修も大切にされてきたオリジナルの布の証と受け止め、古布にご理解のある方のみ、ご入札をお願いいたします。
このように古く完全な長さ、まずまずの状態で残っているグリンシンは既に美術館等に納まり、この先もう一般に売りに出されることは無いでしょう。9枚目画像で、左側とその解説は「インドネシア染織体系」掲載の布で、右下が「広島県立博物館」所蔵の同手のグリンシンです。これらと比較しても、出品の布の状態の良さがお分かりいただけるかと思います。この布の希少さがお分かりになる方で、大切に引き継いでくださる方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします。
※ 貴重な布ですので、保証のある宅急便(60サイズ)での発送にご理解の程、お願いいたします。
※ 落札日を含め2日以内にご決済をいただける方のみ、ご入札をお願いいたします。落札後連絡が無く期限内にご決済をいただけない方や到着後に受取連絡をいただけない方は、申し訳ありませんが以後の入札は、ご遠慮いただいています。
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