○商品
ヴォルフ・ビーアマン・西成彦(執筆)、飛鳥井雅友・細見和之(訳)、みすず書房(刊)、1999年7月23日発行(初版)、160ページ、定価2600円+税
原題:Wolf Biermann: “Jizchak Katzenelson, ein Jude” from: Jizchak Katzenelson, “Grosser Gesang von ausgerotten judischen Volk” copyright 1994 by Verlag Kiepenheuer and Witsch, Koln.
ISBN4-622-04710-1
○帯・背扉より
この詩は煤色の空に黒い涙で書かれている。これらの詩句のなかで、どんな希望がないにもかかわらず、なお一つの希望が輝き出ているとすれば、それは、破滅した人間がなお自らの絶望をそもそも言葉で表現しているところからくる。――ヴォルフ・ビーアマン
この本は急いで読んではならない。心を研ぎ澄まして読まなければならない。一頁ずつ、一行ずつ、一語ずつ。――長田弘
○目次より
滅ぼされたユダヤの民の歌 イツハク・カツェネルソン
第1の歌 歌え!
第2の歌 私は奏でる
第3の歌 おお、痛みよ、お前たち私の痛みよ!
第4の歌 またしても奴らが、あの貨車たちがもうそこにいる!
第5の歌 一万人をめぐる評議会の会議
第6の歌 最初の者たち
第7の歌 遅すぎる
第8の歌 破壊された故郷、殺戮された故郷
第9の歌 空に
第10の歌 終わりの始まりの中で
第11の歌 覚えているかい?
第12の歌 ミーワ通り
第13の歌 戦士たちと共に
第14の歌 終わり
第15の歌 全ての後に
訳註
イツハク・カツェネルソンの偉大なる歌 ヴォルフ・ビーアマン
声の宛先、あるいは二人称の廃墟 西成彦
訳者あとがき
年表
地図
○著者略歴より
ITSKhAK KATSENELSON
1886年~1944年。ポーランドのユダヤ系詩人。ヘブライ語とイディッシュ語で、多くの詩や戯曲を書く。本書はイディッシュ語による彼の最後の大作。1944年5月にアウシュヴィッツで殺戮される。
執筆者略歴
ヴォルフ・ビーアマン(Wolf biermann)
1936年生まれ。ドイツの詩人・歌手。1953年に東ベルリンに移住。1976年の西ドイツ演奏旅行を期に事実上、東ドイツを追放され、以後は西ドイツで活動。ドイツ統一後の1991年にビューヒナー賞を受賞。詩集に『針金のハープ』『マルクス・エンゲルスの舌で』など。
西成彦(にし・まさひこ)
1955年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。現在、立命館大学教授。比較文学専攻。主な著書に『マゾヒズムと警察』(筑摩書房)『イディッシュ/移動文学論1』(作品社)、『森のゲリラ 宮沢賢治』など。
○状態
20数年前の古本ですが書込みや折れなどなく大変に良い状態です。全体に若干の焼け、口部・底部に染み、カバー部に擦れ、当たりがあります。ホロコーストによって殺された詩人・カツェネルソンによる大部の詩とそれを解説する詩集をお譲り致します。