ストラヴィンスキー:
1. バレエ音楽『春の祭典』
2. 管楽器のための交響曲
3. バレエ音楽『ミューズを率いるアポロ』
【春の祭典】
ラトルの『春の祭典』は、当盤以前に3種のアルバムと1種の映像作品がリリースされています。
1977 イングリッッシュ・ナショナル・ユース管(ENIGMA)
1987 バーミンガム市響(EMI)
2003 ベルリン・フィル(BPO)
2009 ベルリン・フィル(映像)
まず最初に登場したのは、ラトルが22歳のとき、かつて自身も打楽器奏者として所属していたイングリッッシュ・ナショナル・ユース管弦楽団を指揮した全員若手のフレッシュな演奏。イギリスのレーベルからのセッション録音リリースでした。
それから10年後に登場したのが、バーミンガム市交響楽団の首席指揮者になって7年を経ていたラトルが、EMIレーベルでセッション録音したもの。演奏は細部までクリアで作品の魅力をシャープに表出したものとして高く評価されていました。
そしてその次に登場したのが、べルリン・フィルを指揮して映画のために録音されたもので、CDとSACDでも発売され、迫力あるサウンドによって話題となりました。
上記3点のディスクはすべてセッション録音ですが、映像ソフトではライヴ収録されたものがリリースされています。
当盤の演奏は、2012年に本拠地フィルハーモニーで録音されたもので、オリンピック・スタジアムで収録された映像作品の3年後、最初のイギリスでの録音からは35年後の演奏ということになります。
【管楽器のための交響曲】
『管楽器のための交響曲』は、ストラヴィンスキーがドビュッシーの思い出のために書いた音楽を発展させたもので、正確には『ドビュッシーの思い出のための管楽サンフォニー』と題されています。
どこか『春の祭典』を思わせる素材を交え、ファンファーレとコラールの交錯するバロック時代の様式へのオマージュともいえるスタイルで書かれているのが特徴。ラトルにとってはちょうど30年ぶりの録音でもあるここでの演奏は、ベルリン・フィルの名手たちとの演奏だけに仕上がりも非常に上質なものとなっています。
【ミューズを率いるアポロ】
ストラヴィンスキー新古典主義時代の作品である『ミューズを率いるアポロ』は小さな劇場でのバレエ上演のために書かれたため、楽器編成は弦楽合奏のみというシンプルなもので、なおかつバレエの様式に配慮した舞曲構成になっています。いわゆる三大バレエの原色系ダイナミズムとは正反対の雰囲気ですが、そのシンプルさが意外な人気にもつながっているのか、ラトルも1988年にバーミンガムで録音をおこなっていたので、当盤は23年ぶりの再録音ということになります。(HMV)
録音:8-10.XI.2012 (1), 20-22.IX.2007 (2), 16-18.II.2011 (3), in concert: Philharmonie, Berlin