CD アンドレアス・シュタイアー(Andreas Staier) ベートーヴェン: ディアベッリ変奏曲、他
輸入盤 HMC902091 帯無し
ケースに擦れ傷や汚れがあります。
盤面は並の状態だと思います。出品前に再生は確認しています。
あくまで中古品となりますので状態を厳しくご判断される方は入札をご遠慮下さい。
霊感と気魄に満ち満ちた怒涛のディアベッリ変奏曲!
ショッキングなペダル使い! こんなベートーヴェン、聴いたことがない!
2011年度アカデミー賞受賞アーティスト、近年ますますの充実を見せているアンドレアス・シュタイアー待望のソロ・アルバムの登場です! 今回シュタイアーがとりあげたのは、ベートーヴェンが腕によりをかけて主題を33回に渡って変容させたディアベッリ変奏曲。近年誰もがアクセス可能となったベートーヴェンの自筆譜ファクシミリを入念に研究した説得力満点の力演です。さらに他の作曲家の手による変奏も収録、さらに自作の「イントロダクション」も収録したという、いつもながらのこだわりぶり。シュタイアーの演奏が霊感に満ちて素晴しいことは言うまでもありませんが、ペダルの使い方(音色の選択)が実に新鮮! ヤニチャーレン(ジャニサリー)・ペダル(トルコ親衛兵の軍隊音楽の打楽器の音色を思わせるガシャーンという音のするストップ)を使っての変奏23のドン・ジョヴァンニ変奏曲風楽章、変奏24 のチェルニー練習曲カリカチュア風楽章の冒頭の和音は、なんともショッキング!シュタイアー渾身のディアベッリ、大注目です!
もともとディアベッリ変奏曲は、当時のヴィーンの有名な出版社で音楽家でもあったディアベッリが、自分が作った主題を当時人気のあった作曲家たち50人に渡して、それぞれに変奏曲を作曲させ、それをまとめて1つの変奏曲の作品として出版しようとしたもの。発注は1819年春頃で、大抵の作曲家(リストやシューベルトら)は注文のとおりに変奏を書きましたが、ベートーヴェンは当時「ミサ・ソレムニス」の作曲に従事していたことなどもあり、本腰を入れ始めたのは1822年頃のことでした。最終的にベートーヴェンの作品は33もの変奏からなる大曲となったので、ディアベッリはベートーヴェンの作品は単独で出版、他の作曲家たちによるものはまた別に1824年に出版されました。
ベートーヴェンの作品が33もの変奏曲から成る大作になったことについて、シュタイアーは、「これは偶然ではない」と語ります。ベートーヴェンはこの主題のことを「靴屋の継ぎ皮」として、他の作曲家と一緒にされたくなかったからこんな巨大な作品にしたのだろう、などと語られることもありますが、そのような理由だけで書いたにしては、その自筆譜からは、あまりにもベートーヴェンが苦労したあとが窺われる、と。バッハのゴルトベルク変奏曲は30の変奏から成り、また、自作主題による変奏曲は32から成ることをベートーヴェンは強烈に意識していたはずと語ります。
ディスクの前半で、シュタイアーは、シューベルトによるシンプルながら天賦の才能に満ちた変奏、リストによるピアニスティックな変奏など、ヴァラエティ豊かなセレクションを聴かせてくれます。注目なのが、シュタイアーによる「イントロダクション」。シュタイアーは、他の作曲家によるものと、ベートーヴェンの偉大なツィクルスの間に何か聴覚的・時間的な間を置きたかったと語ります。1819年、ベートーヴェンが発注を受けた際に残したスケッチに着想を得てシュタイアーが創りあげたイントロダクションは、幻想的で不思議な即興演奏のような空気の中、時折ベートーヴェンのソナタの断片を思わせるようなモティーフもちりばめられていて、実に面白い仕上がりです!
ベートーヴェンの作品は「変奏曲」と呼ばれていますが、コピストの手による楽譜の原語タイトルにはVeranderungenとあり、厳密には変奏というよりも「変容」といった意味の強いもの。ベートーヴェンは、主題に内在される要素を原子レベルにまで分解、それを徹底的に動機、あるいはリズム、フーガ的な手法で発展させています。ベートーヴェンの創意に満ちた作品を、こだわりやのシュタイアーが弾く。大注目の演奏です!
キングインターナショナル