シーメンス(Siemens)は、自社でもドイツのミュンヘン等に優れた工場を持っていましたが、1970年代以降の真空管の需要減少に伴い、世界中の様々なメーカーからOEM供給を受けるようになりました。 シーメンスブランドとして販売された真空管の主な供給元は以下の通りです。
1. 東ドイツ:RFT(VEB Rhrenwerk Anna Seghers) 【最も多いOEM元】
3桁のデイトコードがあるEL34の供給元RFTです。
特徴: プレート側面に4つの窓があり、非常に頑丈な作りです。
背景: 1970年代後半から80年代にかけて、シーメンスやテレフンケンのEL34の多くがこのRFT製に置き換わりました。
2. ユーゴスラビア:Ei(Elektronska Industrija Ni)
特徴: テレフンケンの「スムースプレート」の設備を譲り受けて製造していたため、テレフンケンそっくりの形状をしたシーメンスブランド管が多数存在します。
3. オランダ・イギリス:フィリップス(Philips)グループ
主な種類: EL34(初期〜中期)、E88CC、ECC83など。
供給元: Mullard(英ブラックバーン工場)、Amperex(蘭ヘールレン工場)など。
特徴: ガラスにエッチングされた2段のコード(例:Xf2 や △ マーク)で判別できます。
4. ハンガリー:タングスラム(Tungsram) 主な種類: ECC83、EL84など。
特徴: ガラス内部に小さな金属製の「タグ」が付いていたり、独特の数字が印字されていたりします。
5. アメリカ:GE(General Electric)や Sylvania 主な種類: 6L6GC、6CA7(アメリカ型EL34)など。 特徴: プレートの形状がアメリカ製特有の「おにぎり型」や「サイドゲッター」になっているものは、シーメンスがアメリカから輸入して自社ブランドで販売したものです。
まとめ
:シーメンスは「商社」としての側面も強かったため、
「Siemensの箱に入っている = Siemens製」とは限りません。
RFT製(東独): 3桁の数字、または「02182」等の印字。プレートに4つの窓。
自社製(西独): ミュンヘン工場の「≠」マークがコードに含まれる。
フィリップス製: 側面にエッチングコードがある。
当時の西ドイツ・シーメンス社が、東ドイツのRFT社から「性能が安定している」として大量に買い付けた、最も多いOEM供給元でした。