
19世紀末〜1900年代初期にフランスで作られた、希少なアンティークリネン・スモックシャツです。
このシャツは、最近、市場で見かける戦後のヴィンテージ品とは一線を画す、
真のアンティーク品ですので、その詳細もこちらに書きます。
★ まず胸元には細密なピンタックが施されており、その下には細やかなギャザーが確認できます。
また、低いバンドカラーの襟元は、1900年代初期の古典的なナイトシャツやワークスモックの様式を忠実に残しています。
ピンタックのない平らな胸で、しかも襟もスタンドカラーではないものを1900年代、1910年代のものとして
出品している古着業者がよくいますが、服飾史的にみれば、これらは1940年代から1960年代のものです。
それらも丈は長く、袖元に細かなギャザーもありますが、これは古いヴィンテージ品を模しただけのものです。
こちらは襟もピンタックの仕様もすべて1890年代〜1910年代の本物のヴィンテージ品です。
★ ウェスト部分(ちょうど臍のあたり)には当時の所有者のイニシャルを意味する赤糸の刺繍が入っています。
これは、家族や個人の所有物であることを示すアンティークリネンの最も重要な証です。
とくにこの位置のものはナイトシャツ、ケミーズであったことが多く、農民のワークウェア等ではありません。
後年の大量生産品はヴィンテージ風に模したイニシャルが横腹の方などに付けられていますが、
位置としてそれらは1900年〜1920年代のものではなく、もっとずっと後年のものです。
そして厚手でしっかりとしたリネン生地を用いた、とても重みのある一枚です。
これも後年のヴィンテージ品とは実際に手に取ると違いがよくわかります。
★ 現代のシャツとは異なり、本品は肩幅が広く(56cm)、袖丈が短い(48cm)という、
19世紀末から1900年代初期の古典的なパターンで裁断されています。
これは、袖付けが肩先よりも下に落ちるドロップショルダーの構造によるもので、
「ナイトシャツ/ケミーズ」としてのゆったりとした着心地を追求した証拠です。
袖付けが現代と同様の位置にある後年のヴィンテージ品とは、根本的に異なる歴史的なサイジングです。
★ このシャツは『流行服〜洒落者たちの栄光と没落の700年』の80〜81ページ見開きページに掲載した実物です。
絶版となり、古書価格は定価の2〜3倍で流通しています。
本書をお持ちの方にとっては、誌面に掲載された同一個体を入手できる稀少な機会となります。
【状態】
肩の後方に約1cmの穴があります。
部分的にごく薄い黄ばみがあります(漂白で落ちるレベル)。
その他、大きなダメージや目立つシミはなく、年代を考えると良好なコンディションです。
アンティーク品につき、経年の風合いや小さなダメージをご理解いただける方のご入札をお願いいたします。
【サイズ(平置き)】
着丈:98cm
身幅:58cm
肩幅:56cm
袖丈:48cm
※同じく『流行服』に掲載した歴史的なトラウザーズも出品しています。
佐川急便元払い60サイズでの発送。他の運送会社には対応していませんのでご了承ください。