1966年長野県茅野市生まれ、日本画家、多摩美術大学絵画科（日本画専攻）を卒業後、松尾敏男氏に師事、ニューヨークの風景を題材にした「都市の肖像」シリーズを描く一方、 抽象画や歴史画を追究し、国内外で多彩な活動を続ける気鋭の作家、2006年 紺綬褒章を受章(同’07、’08年)、2012年 第97回院展で奨励賞受賞、2014年 諏訪大社に「平成・諏訪大社　三題（五部作）」を奉納、「AKIHIKO IWANAMI WORKS 世界をかける日本画」開催（金谷美術館）、現在：日本美術院院友

岩波昭彦画伯は、多摩美術大学の絵画科（日本画専攻）を卒業後、松尾敏男氏に師事しました。彼の代表作にはニューヨークの風景を題材にした「都市の肖像」シリーズがあり、この絵もそのシリーズの一部である可能性が高いです。岩波氏は抽象画や歴史画も手掛け、国内外で活躍しています。

岩波昭彦「クライスラー・ビル」日本画 4号 2021年展覧会出品作 共シール
この鮮やかな作品は、ニューヨーク市の夜景を背景に、その中心に堂々とそびえ立つクライスラー・ビルを描いています。1930年に完成し、一時は世界で最も高い建物だったこのビルは、アールデコ様式の傑作として広く称賛されています。画伯は、クライスラー・ビルの象徴的な尖塔と独特な装飾的要素を巧みに捉え、それを青と金を基調としたパレットで表現しています。この色彩は、夜空の神秘と都市の静脈を象徴する光の海と調和し、視覚的に圧倒される美しさを創り出しています。

絵の構成は、ビルの細部にまで注意が払われており、装飾的な要素が際立っています。背景の無数の光は、ビルが存在する都市のダイナミズムと活気を表現し、観る者をその場にいるかのような感覚に引き込みます。本作品は、単なる建築の描写を超え、その時代の精神と野心を色彩豊かに描き出しています。クライスラー・ビルの優雅さと力強さが絶妙に融合されたこの絵は、ニューヨーク市のアイコンとしての地位を不動のものとし、都市景観をテーマにした現代美術の一環としても、その価値は計り知れません。2021年展覧会出品作にして、画伯の真骨頂のニューヨーク風景の名画です。