【作品概要|Overview】
アーティスト名:ヴァージンVS(A児=あがた森魚 他)
タイトル:羊ヶ丘デパートメントストア
レーベル/型番:Kitty Records 28MS0127
フォーマット:LP / Stereo / 帯・インサート付属
リリース年:1987年(日本)ジャンル/スタイル:New Wave, Art Rock, Technopop, Avant-Pop
1981年のデビュー以来、ポップス・演劇・前衛の境界線を曖昧化させてきた仮想的ポップ・ユニット「ヴァージンVS」。A児=あがた森魚を中心に、バンドという形式をとりながらも、あえてそのフィクション性を強調した「声と記号の劇場」として活動してきた彼らの、事実上のラスト・アルバムが本作『羊ヶ丘デパートメントストア』です。録音は1984年以前に行われていましたが、当時はリリースされず、3年を経て“発掘”される形で1987年にリリースされました。
全曲のプロデュースを手がけたのはムーンライダーズの鈴木慶一。彼の構築的ポップセンスと編集的遊戯精神が全編に注入され、ニューウェイヴ、アヴァンポップ、牧歌、SF、ジャグバンド、ロリータ歌謡などの断片的記号が一つの“デパート”に配置されるような雑居構造を形成しています。
ヴァージンVSは、1981年に“Xバンド”として始動し、クロコダイルでの初ライブを皮切りに、「バンド=物語媒体」「音楽=メディア記号」という発想で活動した、日本におけるポスト構造主義的ポップグループです。ボーカルのA児(あがた森魚)は仮想的自己像としての声を演じ、他メンバーはそれを支える“舞台装置”として配置されます。
1984年頃に録音された本作『羊ヶ丘デパートメントストア』は、当時のレーベル方針や編成の変化により未発表となっていたものの、1987年に正式リリース。発掘=編集=記憶定着のプロセス自体が、この作品の“内容”でもあるのです。
プロデューサー・鈴木慶一の音響設計は、アヴァン・ポップと大衆音楽の接点を意識的に設計したものであり、カバー曲「恋のダイヤモンド・リング」(Gary Lewis & The Playboys)は、60年代アメリカン・ポップスの記号性を意図的に挿入することで、本作全体の“夢とノスタルジーの手触り”を決定づけています。
さらに特筆すべきは、2023年の再結成。オリジナルメンバー6人がインストアイベントで集結し、新作EP『星空サイクリング』をリリース。ヴァージンVSが**「過去の音楽」ではなく、再生され続ける“知覚の断片群”である**ことを現代に再提示しました。
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