初めて出品するレアな布で、特別な階級の人のために織られた一枚です。高い織りの技が伺えると同時に、大変手間のかかる仕事がなされています。この島の布は少なく、このタイプは今後出てくることは無いでしょう。
これは、インドネシア スンバワ島の筒状の腰布(サロン)で、20世紀初頭の古布であることを保証します。スンバワ島は、絵絣で有名なスンバ島北西に位置する島です。大きさは、縦約130×横95㎝(筒状になっていますので実際の横は95×2の190㎝)です。1枚目画像が表側、2枚目画像が筒状の反対側で、青い矢印部分で縫い合わされています。天然染料で染められ、手紡ぎ木綿糸で手織りにより制作された布です。接写すると実物より白っぽく写ってしまいますが、天然の蘇芳染料から染め出された赤色がとても美しく、格調の高さが感じられる布です。
スンバワ島では、格子縞の生地に銀糸や銀板をふんだんに用いて刺繍のなされたこのような布は、王族等の特別階級の女性が着用しました。(3枚目参考画像:染織列島インドネシア、渡辺万知子著より)3枚目右の本文は、著者が1986年に現地で見た左側画像の布について記載しており、これと比較しても、以下に記載する3点でこの布の素晴らしさがお分かりいただけると思います。
まず、表側中央部分(4枚目画像)は、横縞の薄桃色木綿地に銀糸により、縫取織りがなされています。モチーフは、生命の樹でしょうか。実に緻密な文様です。驚くべきことに、後でこの部分だけを縫い付けたのではなく、左右の部分とのひと続きで織り込まれています。
一方、表の左右両側と裏面(2枚目画像)は、中央より濃い赤の格子縞木綿地の全面に、細く裁断した銀板で構成された花文様が刺繍されています。これだけの細い板を作り、そして一本一本刺繍していくのに、気の遠くなるような手間がかかったことでしょう。
8枚目画像や9枚目の15倍拡大画像をご覧いただくと、一本一本太さが違う手紡ぎ糸、それも非常に細く紡がれた糸で織られていることがお分かりいただけます。20世紀後半になると、このような細い糸を紡ぎ出す技術は、残念ながら廃れてしまいもうありません。
状態ですが、裏側に数ヶ所小穴があります。2枚目画像の黄色で囲んだ部分です。水色で囲んだ部分は、破れではなく縫い目が解けた箇所です。その他、入手後40年以上畳んで保管していたためか入手時からか不明ですが、表側(1枚目画像)の銀糸や銀板が黒ずんでいます。空気に触れると黒くなるのは、銀の宿命でしょう。また、裏側に比べて表側の生地にやや退色が見られます。表側と裏側を対比した10枚目画像でご確認ください。全体的に状態は良い方ですが、新しい布ではありませんので、古布にご理解のある方のみ、ご入札をお願いいたします。
古いコレクションの整理のための出品で、この布の希少さに比べ大変リーズナブルかと思います。お好きな方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします。
※ 落札日を含め2日以内にご決済をいただける方のみ、ご入札をお願いいたします。落札後連絡が無く期限内にご決済をいただけない方や到着後に受取連絡をいただけない方は、申し訳ありませんが以後の入札は、ご遠慮いただいています。
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