現代欧州映画界を代表する名映画監督、
ハネケ演出の『コジ・ファン・トゥッテ』
優秀な若手歌手多数。
指揮はカンブルラン!
モーツァルト:
歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』全曲
アネット・フリッチュ
パオラ・ガルディーナ
フアン・フランシスコ・ガテル
アンドレアス・ヴォルフ、ほか
シルヴァン・カンブルラン(指揮)
演出:ミヒャエル・ハネケ
マドリード王立劇場管弦楽団(マドリード交響楽団)
2013年3月、マドリード王立劇場(ライヴ)
特典映像:イアン・ホーレンダーとミヒャエル・ハネケの対談
「ピアニスト」、「隠された記憶」、「白いリボン」、「愛 アムール」などで高名なオーストリアの映画監督ミヒャエル・ハネケが、
モーツァルトの傑作『コジ・ファン・トゥッテ』の演出を手掛けました!
2013年3月、マドリード・レアル劇場でのライヴで、モネ劇場との共同制作です。
ハネケは、舞台を現代の裕福なドン・アルフォンソの館でのパーティに設定、若者たちは現代の衣装、しかしアルフォンソなどはモーツァルトの時代の貴族のいでたち。
舞台下手側には18世紀フランスの画家アントワーヌ・ワトー風の巨大な書きかけの絵が飾られ、そしてデスピーナの真っ白な衣装はワトーのいくつかの絵画に登場するジルという道化師のもの。
こうしてハネケはモーツァルトの時代(ロココ)と現代を入り混ぜて、彼らしい手法で男女の愛を描いています。
細かいことは抜きにしても美しい舞台ですので、深く読まずとも十分楽しめます。
歌手は優秀な若手多数。
フィオルディリージのアネット・フリッチュは、1986年ドイツ、ライプツィヒ生まれのまだ若いソプラノ。
十代の頃から逸材として名を馳せ、20歳からライプツィヒ歌劇場で活動。
2009年からデュッセルドルフ/デュイスブルクのライン・ドイツ・オペラに所属して様々な役を歌っているほか、2013年秋には、
ルネ・ヤーコプスが各地で指揮したモーツァルト『フィガロの結婚』でケルビーノを歌っています。
しかも美女。
ドラベッラのパオラ・ガルディーナは、1976年イタリア、ロヴィゴ生まれのメッゾソプラノ。
2000年代から活動していますが、ここ数年で実力をつけ、ことにモーツァルトのメッゾソプラノとして人気が上がっています。
ショートカットのクールビューティ。
2014年4月にはスカラ座でのベルリオーズ『トロイアの人々』でエネの息子アスカーニュを歌う予定。
フェランドのフアン・フランシスコ・ガテルは、1978年アルゼンチン、ラ・プラタ生まれのテノール。
デビューして数年で人気が上がり、ことにロッシーニのテノールとして高く評価されています。
2011年にはペーザロのロッシーニ・オペラ・フェスティヴァルで『絹のはしご』と演奏会形式の『セヴィリャの理髪師』に出演、
後者ではアルベルト・ゼッダの指揮で伯爵のアリアを歌い大喝采をもらいました。ラテンの気さくなお兄ちゃん風。
グリエルモのアンドレアス・ヴォルフは、ドイツ、クヴェードリンブルク生まれのバス=バリトン。
2007年にオペラ・デビューするとすぐにバロックから古典派のオペラ、声楽作品で引っ張りだこのバリトンになりました。
愛嬌のある顔立ちで、グリエルモは当り役で各地で歌い演じています。
デスピーナのシャシュティン・アヴェモはもうすっかり人気ソプラノでしょう。1973年スウェーデン生まれ。
バロック音楽も得意としていますが、なにせベルク『ルル』のタイトルロールで大絶賛された人だけに、歌に演技に猛烈な存在感を放っています。
なおこの演出でのデスピーナは小間使いという役回りではありません。
唯一のベテラン、1952年生まれの英国のバス=バリトン、ウィリアム・シメルがドン・アルフォンソ。
かつてムーティがドン・ジョヴァンニに選んだシメル、さすがの気品で、この難しい設定の舞台の核になっています。
指揮は日本でもおなじみのシルヴァン・カンブルラン。
ハネケの演出にそった微妙な感情の入り混じる音楽を繰り広げています。
21世紀になってますます人気が高まる『コジ・ファン・トゥッテ』、既に様々な舞台の映像がありますが、
名映画監督ハネケの演出が映像で見られるのは大いに興味深いものです。(キングインターナショナル)