本機も私のお気に入りブランドAurexの中級アナログレコードプレーヤーの実力機です。
以前出品したエントリーモデルのSR-255の上級機になります。
インダストリアル/プロダクトデザイナー デザインディレクターの川崎和男氏の東芝Aurex時代の作品です。
AurexといえばSY-Λ88Ⅱプリアンプなどのアンプは非常に有名ですがレコードプレーヤーもSR-M99のような凄い製品を作っていました。
完全主義、物量主義で採算を度外視した見た目のデザインより音質を追及した製品のイメージですが
本機SR-370はその中では珍しく見た目のデザインも白い大理石風の非常に美しい機体に仕上がっています。
もちろん物量主義のAurexですから音を追求して素材から開発した結果とても綺麗な大理石を思わせるADソリッドという
コンポジット合成樹脂に辿り着いたのでした。
合成樹脂といってもいわゆるプラスチックとは違って天然の大理石のように硬く、重く
しかも大理石や金属とは違いウッドキャビネットに近い内部損失というまさに音響に最適な素材です。
当時DENONは天然大理石を使ったプレーヤーを出していましたが、大理石は硬く重いのは良いのですが
内部損失が小さく振動減衰性が悪いため必ずしも音響素材としては最適ではなかったのです。
本機は川崎氏が手がけられた中でもとても思い入れの強いプレーヤーのようです。
無骨なデザインの多いAurex機の中でもこの美しさは川崎氏の功績ではないでしょうか。
テクニクスやSONYなども同様の素材を採用していましたが東芝以外は黒い素材で目立たないようシャーシや裏蓋などに使われたのです。
川崎氏はデザイン担当でしたがオーディオの技術的な所ももちろん造詣は深いようです。
私のオーディオの師匠の故長岡鉄男氏とは微妙に路線は違うようですがAurexの完全主義、物量主義については川崎氏も長岡氏も同じ考えのようです。
この路線を突き詰めていって、後にSR-M99のような超弩級プレーヤーを作り上げたのでしょう。
マイナーといえるAurexのプレーヤーの中では人気は高いようです。何より実際にお手にとってみてください。
ずっしりとしたその重さに納得させられる事でしょう。15kg以上あります。軽量機が当たり前になってしまった現在ではとても貴重です。
特に実際に可動するレコードプレーヤーでは音の良さには重量はかなり重要と言えます。基本的に重い機器は音が良く価格も高くなります。
海外仕様では色が違ったりアームも違うようですが本体の美しさは大理石風の国内版の方がとても良いと思います。
ダイレクトドライブのDCサーボモーターは当時の多くのメーカーに供給された、定評の松下製です。
同型のモーターにはバリエーションはありますが、テクニクス機はもちろん、ビクター、ヤマハ、パイオニア、三菱、日立、マイクロなどの各社が採用しました。
このモーターに関しては日本電産(現Nidec)製との話もありますが本機のモーターにはAurex Toshibaとともに松下のマークが付いています。
松下が開発してその後日本電産に製造委託されたといった所ではないでしょうか。
入手時にはカートリッジは付属してませんでした。
そこで即決で購入された方には特典としてオーディオテクニカ製VMカートリッジAT-VM35とオヤイデ製高性能ゴムシートBR-12をお付けします。
AT-VM35はVM型初号機のAT-35Xの後継改良機でほとんど同じですがカンチレバーがストレートからテーパーになっています。
当時できる限りの最高性能を狙った最上級機種でした。
とても古いカートリッジですが古臭さは全くありません。古い製品でも最高性能を追求した物は一味違いますね。実際お聴きになれば驚きますよ。
針はとても希少な無垢楕円針です。今は針だけでも2万円クラスでしょう。使用時間はわかりませんが現状問題なくとても良い音が出ています。
さらに即決で購入された方にはオヤイデ製ゴムシートBR-12もお付けします。
BR-12は現行シートでは最高性能、音質といえるゴムシートです。
長岡氏はJP-501を推奨されていましたがかなり以前に販売終了。現行ではより高性能に進化したBR-12があります。
長岡氏の後継者とされる炭山アキラ氏が高く評価されています。
JP-501同様ブチルゴム系ですが制振のためにタングステン配合と拘っています。JP-501同様テーパーが付いているのでスタビと併用すると良いでしょう。
メタル製とゴム製の良いとこ取りでメタル製と違って普通のゴム製のように扱えます。定価6600円と少し高額ですが効果は大きいでしょう。
中古品ですがクリーニングして保護剤をかけました。キズ、汚れは殆どなく、ストロボスコープ&オーバーハングゲージも付属します。
私の特にお気に入りの組み合わせです。即決価格は少し高額になりますが絶対に損はさせません。
ぜひ即決で購入される事をお勧めします。
本機も私の特にお気に入りで複数入手した中で動作に問題なく綺麗なものを簡単にメンテナンスしました。
モーターはローターを外して古いオイルをふき取り新たに超潤滑性の特別なオイルを注油しました。
回転調整ボリュームは信頼できる接点復活剤を複数使い分けて使用、接触不良はなくとてもスムーズに調整できます。
スイッチ類も同様に接点復活剤にてクリーニング。接触不良はありません。
ストロボスコープもネオンランプはしっかり点灯して問題なく止まります。
本機は傷、汚れなどは少なく綺麗でしたが、さらに全体を特殊なクリーニングワックスで磨きまました。
ただし光線による焼けと思われる僅かな黄ばみがあります。
ダストカバーもコンパウンドで磨きクリーニングワックスで仕上げました。かなりクリアーで綺麗です。
新品時に付いていたステッカーがそのまま貼ってありました。これは剥がせますがやはり光線の焼けによる跡が僅かに残ります。
その他、アームやヒンジなどの金属部も金属磨きクロスなどで磨いて本当に綺麗です。
アームはいちど取り外して丁寧にメンテナンス。軸部もクリーニングして感度良好です。
古いプレーヤーではアームの軸部はタバコのヤニなどで感度の低下した物がよくあります。
これはクリーニングする事で驚くほどスムーズに回転するようになります。
アームリフターもグリス交換してゆっくりスムーズに降下します。
本機にはなぜかアンチスケーティング機構はありません。無くても使用には特に問題は無いでしょう。
また、少し面倒ですがストロボパターンも磨いてワックスをかけてあるのでとてもくっきりと明瞭に表示します。
その他、ほとんど傷、錆、腐食などはありません。この素材はクリーニングすると驚くほど綺麗になりますね。
添付画像をよくご覧になってご検討ください。写真は下手で申し訳ありませんが多めにupしておきました。
その他、回転も安定してストロボスコープも33/45回転も問題なく止まり、調整もスムーズに行えます。
脚のインシュレーターは壊れていたのでAurexの別機種の物と交換しました。純正品と同じ物と思います。もちろん使用には問題ありません。
ゴムシートはクリーニングして保護剤をかけてあります。
付属品は純正のゴムシート、サイトからDLした海外版マニュアルのコピー、社外品のEPアダプターです。
出力RCAケーブルは定評あるカナレ製の新品をお付けします。
取扱説明書は海外版マニュアルのコピーをお付けします。英文で若干の仕様に違いはありますがご了承ください。
また、即決で購入された方には上述のオーディオテクニカ製VMカートリッジAT-VM35とオヤイデBR-12ゴムシートをお付けします。
この組み合わせは特にお勧めします。
オート機構など全く無いマニュアル式ですので慣れた方なら問題ありませんが、はじめてレコードプレーヤーをお使いになる方は
アームのバランスのとり方や針圧の掛け方、アームの高さの合わせ方
カートリッジの取り付け方など一般的なプレーヤーの使い方をよくお調べになってからお使いください。
よくプレーヤーで問題になるのはカートリッジの取り付けによる接触不良とアームの高さ調整ですね。
この機種はクォーツロックになる前の機種ですので回転が安定しないのではとお気になさる方も居られるかと思いますが
私が多数のプレーヤーを使ったところでは全く問題ないと確信します。
クォーツロックでないと音が変化するとかクォーツの方が音が良いとかはありません。クォーツなら調整がいらないというだけです。
ストロボが安定して止まらないと気にされる方も居られるかと思いますが、ストロボは電源の50Hzまたは60Hzの明滅を利用しているので
目安にすぎません。実際には電源周波数はその地域の電力使用量によっては微妙に変化するのです。
発電所はその変化をできるだけ少なくする努力はしていますがクォーツ並みにする事はできません。
DCサーボモーターですからプラッターの回転数は電源周波数には影響されません。周波数で変化するのはストロボの明滅周期です。
この変化を回転の変化ととらえて頻繁に回転調整をするとボリュームが劣化してしまいます。
レコードプレーヤーは本機のように丁寧に作られていれば、まず良い音がします。
その中ではアームの影響は大きいかもしれません。機能的で美しいアームは良い音がするものです。
シンプルですがとても精巧に作られた美しいアームです。
なんといっても大理石風のとても重い本体は引き締まって良く伸びた低音に表れているようです。