01BURNING WHEEL
前作『ギヴ・アウト・バット・ドント・キヴ・アップ』から方向大転換を遂げた、驚きのダブ・ナンバー。7分を超える大曲ながら、だれることなく終始一貫したサイケデリック空間をキープ。あふれ出る幻覚性は陶然の極み。
02GET DUFFY
まるでロード・ムービーのサウンドトラックのような雰囲気のトリップ・ホップ調インスト・トラック。イアン・ディクソンの吹くバリトン・サックスをはじめ、ホーンの旋律が冷ややかな暴力性をまとっていて刺激的。
03KOWALSKI
映画『バニシング・ポイント』の主人公の名を冠したダブ・トラックで、劇中の台詞も引用。焦燥感を漂わせたサウンドは、ロックンロールの刹那的な魅力を見事に体現。ベースはストーン・ローゼズから移籍したマニが担当。
04STAR
“レゲエ/ダブの巨星”オーガスタス・パブロと、“世界最強ホーン隊”メンフィス・ホーンズをゲストに、レゲエとソウルを大胆交配。パブロの吹くメロディカの音が心地よい、穏やかでメロディアスなメッセージ・ソング。
05IF THEY MOVE,KILL'EM
曲題は映画『ワイルドバンチ』の有名な台詞「動いたら殺せ」の引用。「KOWALSKI」同様、曲中で台詞を使用するつもりが許可が下りず断念。アイザック・ヘイズの「シャフト」をダビーにアレンジしたようなムードの曲。
06OUT OF THE VOID
色とりどりの音色を駆使しての凝ったサウンド・プロダクションが、幻覚的でアンニュイなムードを演出。ドラッグ使用後の後悔と倦怠感で綴られたような歌詞は、その筋の体験には事欠かないボビーが歌うと説得力も抜群。
07STUKA
「頭の中にキリストがいる」と、『ダ・ヴィンチ・コード』ばりの秘密を語る歌詞が、もはや“人間やめますか”寸前のドラッギーなトリップ・ホップ。ヴォコーダーで処理したつぶやきが、楽曲に漂う中毒性を高めている。
08MEDICATION
『ギヴ・アウト・バット・ドント・キヴ・アップ』に収録されていても違和感のないロック・ナンバー。ベースにセックス・ピストルズのグレン・マトロックを迎え、ローリング・ストーンズ直系サウンドをストレートに快演。
09MOTOERHEAD
モーターヘッドのレミー・キルミスターがホークウィンド時代に発表した曲のカヴァー。プライマルはモーターヘッド版のラフさをベースに、ホークウィンド版のスペーシーなサウンドを被せた器用な雑食アレンジを披露。
10TRAINSPOTTING
映画『トレインスポッティング』に提供されたダブ・インスト。エコーの効いた音空間が秘めたる暴力性を8分間放ち続ける刺激的な曲だ。この曲で得た自信が、ダブ色豊かな傑作『バニシング・ポイント』を生み出した。
11LONG LIFE
アルバムの最後はメロウな曲で締めるのが流儀の彼らが、『バニシング・ポイント』の最後に用意したチルアウト・ナンバー。ダビーな美麗トラックに乗せ、「生きているのは素晴らしい」と、ポジティヴな歌詞を切なく歌唱。