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ミュージックキャビネット

イギリス

マホガニー材

1920年頃

横幅：58cm　奥行：38.5cm　高さ：106.5cm

元々は楽譜などを収納したことから、ミュージックキャビネットとも呼ばれるお品です。
特徴的なのは天板上の立ち上がりの飾り部分でしょうか、板状になっていることが多く、そうした定番には無い独特の魅力があるように思います。
そこここにさりげないこだわりを感じる、おもしろいお品だと思います。

ミュージックキャビネットは始まりとしては楽譜を収納する家具ではありますが、後の用途としては必ずしもそのように使われてはいなかったように思います。
棚板の多くは生地が貼られ、そこにはグラスの跡がついていることもしばしばです。
(ミュージックキャビネット自体は18世紀頃が起源とも言われ、非常に長い間作られた家具であり、およそ200年の間に様々な変遷があるのは当然でさえあると思います。)
確かに小さな収納棚として便利であり、ガラス扉であることで中が見えるので飾り棚としても使いやすそうですね。
棚間隔が広めのお品であればグラス類などの収納もできるのですが、このお品は元々の用途のように書類などを収納に適した間隔になっています。
下部分は書類を立てて収納できるように、棚の向きが変えてあるのも使い分けができて良いですね。
シンプルに横方向の棚をつけるよりは手間がかかるかと思うのですが、この点もこだわりではないかと思います。
背板にも縦柱が入っていることからも良いお品であることがうかがえます。

蝶番が外面に露出しているというか、デザイン性のある蝶番が使われていることはマホガニー材のお品ではかなり珍しいことと言えます。
繊細な雰囲気で素敵ですよね。
こうした背の低い(足の短い)ミュージックキャビネットの扉では、内部を隠すように、扉の一部が木になっていることがよくあります。
その中で、枠部を除いてすべてガラスになっているのはありそうで意外と見かけないデザインだと思います。
この点もこだわりポイントと言えますかね。
ガラス部は四角形ではなく、上部分は角を落としたような形状である点もさりげなくも変化がついて素敵ですね。

前述のように天板上には立ち上がりの飾りがついていることが多いのですが、多くの場合は板状になった飾りでそこに彫刻をすることでそれぞれの個性を表現しています。
これは取り外しができるようにという考慮も含まれたものだと思い、実際に取り外せるタイプの多いです。
このお品のように多くのパーツから構成されたデザインは取り外すことはできませんが、それだけ複雑な造りを敢えてしている点も素敵だと思います。
多くの方は直感的に素敵だと思ったり、お探しの用途やサイズに合ったお品として選ばれるかと思いますが、実はこんな個性があることを感じていただけると、より愛着が増すかと思います。
ミュージックキャビネットというごく限定的な家具に絞ってもそれぞれに個性があり、アンティーク家具の奥深さを改めて感じるお品だと思います。

天板にキズとニスハゲ、側面にニスの劣化とキズがありますのでお写真でご確認ください。

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お掃除やワックスがけ、足裏のフェルトの貼り付けなども行わせていただいております。
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棚板の増設、座面の張り替えなど、ご要望がございましたら事前にお問い合わせください。

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