この Carol #76512 というワイヤーはと申しますと、所謂 標準的な22AWG（0.6～0.7mm程度）の 単線などと比較すると、驚くべき中域の見事な張り出し感と輝きとパンチ力、パワーと腰のある豊かな低域 世界を演出するとても60～70年代っぽい「あの頃」のワイルドで力強いサウンドを生み出します。 所謂ハイファイ指向のオーディオケーブルに求められる超ウルトラハイや澄んだ高音を期待しないでください。 極太でしかも撚り線です。どちらかというと高域に雑味感（良い意味で）もありますし、 逆に そこが楽器的な用途に対しては、とても優れているのです。

まずもって、用途として考えられるのは、ギターやエフェクト周りのGND線（HOTに使っても勿論イケテル！）や、 ギターアンプ・ベースアンプのキャビ内のSPケーブルとして非常に優れていると思います。 また、70年代のレコード時代・・レシーバーから当時のスピーカーの主流であった Altec、JBL、はたまた山水やトリオなどといったラインナップをこよなく愛する方にはドンピシャの往年のサウンドだと感じるかと思われます。 逆に言うと、現在の味もそっけもないオーディオ・システムに用いる事により、40年以上前の、まだ音楽がピチピチしていた「あの時代、あの世界」にタイムスリップしてしまうとも言えるでしょう。それ自体、大変に素敵な体験だと私は思います。グランドファンクレイルロード「We are the americanband」やらChicagoやらCCR、または、スリードッグナイトの銘曲「Joy to the World」などなど、さて、もすこし遡ってCSN&YやらIts a Beautiful Dayなんてのは、もうシビレますよ。当時のアメリカの空気感を存分に楽しむなら、これはまさにそういう音質のケーブルだと確信いたしました！！

しかしながら、最も相性のすばらしさを感じたのは、ギター・・・何とギブソン社レスポール・カスタム 1968年の経路に用いた瞬間です。

Fender系のヴィンテージにもけっして悪くないんですよ。細くてカリカリしすぎているFenderをお持ちでお悩みの方などは、このワイヤーは太い音質と適度なマイルドさと張り出しとパワーを演出してくれます。少しクリーミーにシフトすると申しましょうか・・・が、LP系やSG系となると、これは俄然 話が違って参ります。物凄すぎます！！まず、音が全然でかい！しかも、およそハンバッカーに必要な帯域を全て見事に押し出してくれています。スタンダードもいいですけど、SGもかなりタイトで太い低域と飛び出す中域で誠に気持ちよさを感じる訳です。で～も、何と言っても最終的にマーシャル系などで鳴らすレスポール・カスタムの経路の何処か（内部配線材の最後とかエフェクター内部とか）にインサートすると、これが物凄い演出をやってのけます。もうその体感する音量の違いにびっくりしますよ。このレスポール・カスタム系では、今まで試したワイヤーの中では 最も極太なパワーと中域のスイートでしかも独特の輝きを生み出す まるで エフェクターのようなワイヤーだと言えるでしょう。
うひゃひゃ、心地良い・・・快感ですね、これは。
ウ～ルトラにワイルドだぁ～！！！

HOT側GND側の線材として60～70年代の極太音を演出する用途に最適・・アンプなどの内部配線からRCAケーブル、SPワイヤーなど、各所で個性を発揮すと思います。言わずもがな、ギターのエフェクター製作の内部にも いいです！！特にLP系やハンバッカーを存分にドライブさせるには とても効果的なワイヤーとしてご紹介いたします。