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★商品説明★ | 今野敏著 「ハンチョウ・安積警部補シリーズ(第1部~)」 ハルキ文庫 「二重標的 東京ベイエリア分署」 2008年 3月 文庫4刷 「虚構の殺人者 東京ベイエリア分署」 2008年 4月 文庫5刷 「硝子の殺人者 東京ベイエリア分署」 2008年 3月 文庫4刷 「警視庁神南署」 2008年 5月 文庫6刷 「神南署安積班」 2001年 12月 文庫初版 「残照」 2008年 5月 文庫6刷 「陽炎 東京湾臨海署安積班」 2008年 9月 文庫9刷 「最前線 東京湾臨海署安積班」 2009年 3月 文庫9刷 「半夏生 東京湾臨海署安積班」 2009年 3月 文庫2刷 「夕暴雨 東京湾臨海署安積班」 2013年 4月 文庫初版 「烈日 東京湾臨海署安積班」 2013年 7月 文庫初版 定価 590円~680円+税 267頁~376頁 |
★著者略歴★ | 1955年、北海道生まれ。上智大学在学中1978年に「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞受賞。レコード会社勤務を経て、執筆に専念する。2006年「隠蔽捜査」で吉川英治文学新人賞受賞。2008年「果断隠蔽捜査2」で山本周五郎賞&日本推理作家協会賞受賞。2017年「隠蔽捜査シリーズ」で吉川英治文学賞を受賞。空手・棒術の指導もする。伝奇小説、警察小説、SF小説まで広範囲の執筆をする。 |
★作品内容★ | ベイエリア分署(安積班)シリーズは、旧ベイエリア署が1988年から始まり3冊書かれたが、出版社の都合でいったん終わるが、安積班の設定が捨てきれず、神南署にそのまま移動して書き続けられ、そして新ベイエリア分署にと戻ってくる。ただしその間、舞台は変わるが、安積班のメンバーは階級も年齢もそのままなので、どこからでも読むこともできる。大体刊行順に並べた。第1期は3冊でおわり、第2期は安積班が脇役で活躍する長編2冊を挟み、2冊。そして第3期となる。 <二重標的> シリーズ第1作。安積警部補を班長にした、それぞれ、個性的な部長刑事二人と刑事2人の捜査一課の活躍。集団刑事ものの草分け的な存在。後にドラマ化され改めて大ヒットとなる。若者ばかりが集まるライブハウスで30代のホステスが殺されたという知らせが入る。女はなぜ場違いと思われる場所にいたのか。疑問を追ううちに、同時刻に発生した別の事件との接点を発見。二つの殺人標的が、安積たちを執念の捜査へと駆り立てる。 <虚構の殺人者> 新宿の業界団体のパーティ出席者が、7階から落ちて死んでいるのが発見される。出席者は有名人ばかり。須田などは人気俳優に会えて喜んでいる。ところで殺されたのはTV局の看板プロデューサー。当然、ライバルが疑われるが、なかなか証拠がつかめない。さらに応援に来た本庁の相楽がまた、安積班に突っかかる。 <硝子の殺人者> 第一期最終巻。湾岸エリアでTV脚本家の絞殺死体が発見された。目撃情報などから、暴力団の準構成員がすぐに逮捕され、自白も得られるのだが、その後はなぜか黙秘を続ける。その裏に覚せい剤取引の疑いが現れ、被害者の後輩で今では売れっ子の脚本家の名前が出るが、彼には殺害時刻にアイドルと食事をしていたという鉄壁なアリバイがある。それを目撃していたのが安積たちだったのだ、その上、その脚本家には与党の大物代議士が親戚にいて、うかつに近寄ることも出来ない。本庁からやってきた相良警部補や同期のの刑事の行動に不審なものを覚える。華やかなTV業界に渦巻く麻薬犯罪に挑む刑事たちを描く。 <警視庁神南署> 安積班第2期。バブルがはじけてベイエリア署は縮小され、原宿と青山の間にできた新設警察署・神南署にほとんどそのまま安積班が移ってくる。単発で脇役や準主役として登場(「蓬莱」「イコン」)しているが第1期から7年、やっと本格的に戻ってきた。青山公園で、中年の銀行員・山崎が、チーマーのオヤジ狩りに会う。山崎は、傷害と恐喝で告訴するが、少年犯罪はなかなか検挙されることはない。安積班が捜査して、犯人の少年たちの目星もつくが、山崎は告訴を取り下げ、その数日後に少年たちがやくざに袋叩きに会う。そしてその後、指示したと思われる暴力団の幹部が同じ公園で射殺される。最初は少年たちのオヤジ狩りとその仕返しの繰り返しと思われたが。不審を抱いた刑事たちの戦い。オヤジ狩り、チーマー(不良少年グループ)、不良債権処理、今も昔も同じようなことは行われているが言葉が変わり、時代の背景も変わる。プロットや人間の心は時代を超えて通用するが、時代背景は移り変わる。それをそのまま捕らえた警察小説。もともと湾岸再開発でできたベイエリア分署も時代を意識したものだし、バブルがはじけての縮小や後にお台場の再開発でまた戻るなど時代を捉えたシリーズ。 <神南署安積班> 安積警部補シリーズの一冊。ベイエリア分署から神南署そして新ベイエリア分署へと所属が変わってゆくシリーズだが、これはつなぎの神南署の物語。後半では、新ベイエリア分署への移動が示唆される。安積班の面々が活躍する。短編集。「スカウト」若者たちの喧嘩。安積と速水が事情を聴きに行ったのは。「噂」速水が援助交際をしているという噂が、女性記者がそれに食いつく。「夜回り」書内の情報が新聞記者に流れている。まさか堅物の黒木が。「自首」宝石商殺しを自首してきたのは老婆。何故。「刑事部屋の容疑者たち」安積が部下たちを問い詰めるがなかなか吐かない。「異動」安積が新部署に移るという噂が外されるのは自分かと若い桜井は悩む。「ツキ」もっさりして刑事らしくない須田刑事部長だが。「部下」冷たい感じの村雨と若い桜井の関係がうまくいっているのか心配だが。「シンボル」またもや喧嘩、若者のシンボルと言われる男も容疑者として逮捕される。神南署のシンボルは。やはり新ベイエリヤ分署行きは本決まりらしい。 <残照> 第3期の開始。お台場で少年同士のグループの抗争があり、一人が刃物で背後から刺され、死亡する事件が起こる。直後に近くで黒いスカイラインGTが目撃され交機隊の追跡を振り切り消え去る。この車は、ブラックファントムと呼ばれかなり仲間内では知られている車だった。すぐに捜査本部が立ち上がり、本庁から来た係員は、この車の持ち主の少年を容疑者と狙う。しかし、交機隊の隊長速水は、それに疑いを持つ。安積もやはりどこか不可解な点がある。目撃者の証言が、最初に聞き込みに回った警官の見込みと少し食い違っているのだ。ともかく安積は速水のパトカーに同乗し、この少年を追う。そして本庁の係官と対立しながらも次第に真相に迫る。今回は速水のドライブテクニックやその存在感が前面に出ている。高速でのカーチェイス、筑波山での峠道バトルなど迫力がある。 <陽炎> 新ベイエリア分署に戻ってきた安積班の短編集。「偽装」レインボー・ブリッジからの偽装心中に疑問を持つ須田。「待機寮」警察の独身寮のぬしの横暴。「アプローチ」須田が女性とデート。「予知夢」村雨が見た夢では少年は犯人ではない。「科学捜査」STシリーズの青山がゲスト出演。「張り込み」須田のとぼけた味わいが活きている。「トウキョウ・コネクション」国際麻薬取引の現場を押さえる。アクションありで迫力も。「陽炎」予備校生が誤解から逃げ回る。さわやかな青春物語。短編集は安積班の個性がより出て面白い。 <最前線> 短編集。「暗殺予告」香港出身の映画スターが、お台場にやってくるが、彼には暗殺の予告が。本庁主導の警備が敷かれる中、安積たちは予備班に回されて、使い走りというところ。ところが須田が、脱ぎ捨てられたウエットスーツを発見し、本庁の警備班に反対されながら暗殺者の後を追う。「被害者」中年男性が、犯罪を犯した元少年を殺そうとする。その理由は?。被害者と思われた男が一転。「梅雨晴れ」うっとおしい梅雨の合間、イライラが講じて署内もピリピリ。”ゆりかもめ”の中で起こった傷害事件の容疑者を須田が捕まえてくる。「最前線」またもや応援で他の所に出かける桜井たち。そこで桜井はかつての先輩大森に出会う。かつて彼は安積班にいたのだそれがどう変わったのか。「射殺」ヒットマンがお台場にやってくる。そして捜査本部に彼を追う警官ウッドが参加して安積と組むことに。日米の銃に関する考えの違いなど。「夕映え」安積が刑事になりたての頃の上役と再会する。今では、安積の方が階級が上になっている。 <半夏生> お台場でアラブ系とみられる若者が行き倒れ病院に収容されるが間もなく亡くなる。事件性はないと安積は思ったが一応上に報告しておいた。ところが突然、警察庁の又、上の方から人が派遣されて、バイオテロが疑われるのでお台場を封鎖せよと言われる。身元不明のアラブ系の若者自爆テロと疑って、テロ対策本部が動いたのだ。死んだ若者と接触した須田と黒木も隔離され、病院に。黒木と白バイ警官がそのうちに発熱。須田は何ともないが、病院から出てこられない。しかし、須田はこれは単なるインフルエンザではないのかという職員のうわさ話を拾い、安積に報告。安積は須田の報告を信用して裏付け捜査に当たる。バイオ・テロとテロ対策。今警察に必要なものとは。 <夕暴雨> 今回は、三つの点が変わる。一つ目は2階建ての仮公舎だった建物が7階建てに新築されたこと。二つ目は、強行犯係が2倍に増えて、第2係ができたこと、その係長がなんといつも安積を目の敵にしている相楽警部補だった。そして3つ目は、なんと”機動警察パトレイバー”のコラボ出演。”パトレイバー”と聞いても知らない人は知らないだろうが、人気アニメで映画化もされた。その体調が安積や速水とも同期の後藤。で、事件は、イベント会場に爆破予告が入る。そんな予告は多いので須田はじめ安積班は、それなりに対応するが、対抗意識の強い相楽は予告犯を絞り出す。一方再び爆破予告。今度は須田は本物らしいと危惧し、安積らはその言を信じて本庁にも上げるがおざなりの対応しか返ってこない。しかし、イベント中のトイレで爆発事件が起こる。今度は本庁の警備部がうるさく調査する。なんかちぐはぐだ。その時トイレにいた被害者から話を聞くが、証言が食い違うことがある。須田は鋭い洞察力で、5人の中にうそをついているものがいるという。地道な安積班の活躍。ところで、パトレイバーはいつ出てくるのかと思ったが、”特車二課”の後藤というところで陰しか出てこないが、マニアならニヤッとするところなのだろう。 <烈日> 短編集。このシリーズは人気も出てTVドラマ化された。その中で出てきたのは女刑事・水野真帆。TVではやはり女性が出てこないと花がないのだろう。原作では、社会部記者の女性が出てくるぐらいでほとんど男社会として描かれていたのだが、そこでこの巻から、TVから逆輸入して、女性刑事・水野をレギュラーとして登場させる。最初はなかなかなじめなかった彼女が安積班としてなじんでゆく一年間を季節を追って描く。長編も面白いが短編では、個々の班員からの視点で描かれることもあるのでそれも面白い。「新顔」水野は須田とは初任課が一緒だったが、もっさりとした須田は切れ者の水野にコンプレックスを感じていたのだ。「海南風」マンションでの男女の言い争い。地域課の仕事と思ったが、水野は安積他班員を呼び出す。「開花予想」記者の山口由起子は、女性だからと特別な見方をされるのに反感を覚えていた。「烈日」若い者二人が、食中毒で休み、珍しく、村雨と須田がコンビを組んで捜査に当たる。正反対な感じの二人の刑事の面白さ。「逃げ水」新任の水野部長刑事が賀交通課から呼び出される。班長の水野には断りなしで、なんか面白くない。「白露」若手の桜井が本庁の定年まじかの刑事と組まされて、捜査に当たる。村雨とは違った刑事と組んで。「凩」速水に連れられ、水野と安積は、容疑者の捕獲に行くが、バイクの集団に取り囲まれる。「厳冬」安積が風邪をひいた。玄番に固執する安積だったが、班員に追い返される。 |
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